モリンホール(馬頭琴)の由来にまつわる物語です。
内モンゴル自治区のシリンゴル盟を中心に語られてきた民話です。
日本の国語の教材にも用いられていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、6〜8歳のこどもたちが、登人物の心情を慮って読みとる作品としては、本当に秀作であると思います。
スーホと子馬の時から可愛がられた白馬の心の交流。
いかんともしがたい権力により、引き裂かれた両者。
大切な友を失った悲しみは忘れられない事だと思います。
その思いをくみ取れるこどもたちは、きっと心の内に動きがあることでしょう。
白馬が夢に出てきて願うこと、これがまた泣かせます。
これからは片時も離れずにいられる幸せ。
これ以降、モリンホールがモンゴルの地で普及したといわれます。
愛された馬たちが、皆モリンホールに姿を変え飼い主のそばに置かれているのだと思うと、その見かたもかわってきます。