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モミの木」 みんなの声

モミの木 作:アンデルセン
訳:小杉 佐恵子
写真:マルセル・イムサンド
出版社:西村書店 西村書店の特集ページがあります!
本体価格:\900+税
発行日:1988年
ISBN:9784890138111
評価スコア 2.5
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  • しあわせって何だったんだろう

    先に読んだ『バーナデットのモミの木』とは真逆の印象に、正直申せばショックを感じています。
    『バーナデットの…』では、焼かれていくモミの木は、それでもしあわせだったのだと、私は受け止めました。
    でも、この『モミの木』は、そんなロマンチシズムは大きな勘違いと語っているのです。
    同じ原作で、どうしてこれほどまでに語られ方が違うのでしょう。

    その前に、この本が決定的につらいのは、写真絵本として甘さや曖昧な妥協点を排除していることです。
    そして、何よりも衝撃的なのは、小さな子どもをモミの木の象徴として登場させいることです。
    木なら許せるけれど、子どもが将来への可能性を取り上げられてしまったら、これほど悲しいことはない。

    絵本の中で、モミの木を演じる幼子は、切られ、運ばれ、クリスマスが終わったら、追いやられた場所で、ネズミと対峙します。
    まだ、幼いのです。
    その幼子が、「今まで生きた中で…」しあわせだったこと、夢みたこと、経験したことを語ります。
    まだまだ早すぎます。
    それでも焼かれていくのです。

    何という絵本でしょうか。
    難病のために将来を約束されない子どもが、精一杯残された人生の中で、自分のしあわせを探し、健気に生きている。
    そんなことを思い浮かべてしまいました。

    子どもには見せられません。
    だけど、大人として評価すべき本であると思いつつ、読み終えました。

    『バーナデットのモミの木』と読み比べてみてください。

    掲載日:2012/04/10

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