この絵本は、阪神淡路大震災のことを描いた絵本です。作者のいせさんは、大震災から2ヵ月後の神戸を歩いてまわったそうです。しかし、スケッチブックは白紙のままでした。
描けないのか、描いてはいけないのか、その迷いを吹き飛ばしたのが、この絵本のテーマになっている、復興支援「1000人のチェロ・コンサート」でした。
絵本に出てくる被災を受けた街の風景は1ページだけです。
しかし、絵本には、忘れてはいけない過去の断片をつなぐように、1000のチェロから1000の想いが音楽となって流れ出していく様子が見事に描かれています。
この音の記憶は、きっと読む人にも伝わると思います。
小学校中学年から上の子どもたちが読むと良いと思います。