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西風号の遭難」 みんなの声

西風号の遭難 作・絵:クリス・ヴァン・オールズバーグ
訳:村上 春樹
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,656
発行日:1985年
ISBN:9784309260716
評価スコア 4.53
評価ランキング 7,107
みんなの声 総数 16
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  • 少年のその後は?

    海を見下ろせる高い崖の上に小さなヨットの残骸が横たわっています。
    ここまで波がくるとは思えないほどの高い崖の上になぜヨットの残骸が?
    不思議に思っていると、そばにいた老人が風変わりな話をしてくれた。
    それは「西風号」というヨットを巧みに操っていた少年の話。


    ページをめくるたびに、西風号の遭難の秘密が静かに語られていくのですが
    まるでそのまま時がとまってしまったような、やわらかな空気を感じたり
    反対にその少年のその後は一体どうなってしまったのか?
    と不安になったりで、最後まで目が離せません。
    そんなところがオールズバーグが作り出す作品の
    おもしろさであり、魅力なのでしょう!

    誰もが不思議な『西風号』にで会えるこの作品。
    みなさんも一緒に航海へ出かけてみませんか?

    投稿日:2007/05/26

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  • 空を飛ぶヨット

    • ムースさん
    • 40代
    • ママ
    • その他
    • 男の子9歳、女の子4歳

     高い崖の上に横たわる小さなヨットの残骸。なぜ、こんな崖っぷちに遭難船が? 主人公が不思議そうにヨットを眺めていると、一人の老人がその理由を語ってくれた。昔、ヨットの操縦のうまい少年がいたが、少年はある日、西風号に乗り遭難してしまう。浜辺に打ち上げられた少年は意識を取り戻し、助けを求めに歩き出したが、そこで彼が見た光景は海上の空中高く浮かぶヨット二隻だった……。
     空を飛ぶヨットというファンタジーが、オールズバーグの洗練されたパステル画と村上春樹の美しい訳で、気品あふれる翻訳絵本となりました。コンビがコンビということで、完成度が高いです。
     米国に住んでいて感じるのですが、職業以外でボートとかヨットを所有することは、社会的に豊かな階級層でないとできないことです。そんな理由から、港街に住んでいながらも、そのようなものとはまったく縁のないわたしににとってこの作品は夢物語、ため息ものでした。
     オールズバーグは、映画にもなった「ジュマンジ」(ロビン・ウィリアムズ主演)の原作者。大学で最初は法律を学び、美術への道は後で選んだとか。今は芸術大学の教授ですが、「カルデコット・メダルを受賞したクリス・ヴァン・オールズバーグは、絵本の世界に出現した、モーリス・センダック以来のもっとも才能豊かなアメリカのアーティストである」と解説されています。
     それと明らかに村上氏の詩的な邦訳が、この絵本の魅力を倍増させていると思います。文章(短編)として読んでも十分楽しめます。(それほど描写が的確できれいです。)よって、対象は中学生以上でしょうか。漢字がちょっと難しいけど小学生高学年でもいいかな……、高校の教科書に載っていてもおかしくない……、などどいろいろ思いました。息子は(多分、ほとんど分かっていなくて)「難しい……」と感想を漏らしましたが、「ジュマンジ」の作者と同じだよと話したら、とたんに目を輝かせていました。原題は「The Wreck of the Zephyr」。絵を眺めるだけでも、潮風に吹かれる気分に浸れます。

    投稿日:2003/08/29

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  • 読み返してしまう一冊

    小学生の時の教科書でこの本に出会いました。
    日本ではあまり見ない色使いと、構成の面白さに惹かれて一度でとても気に入りました。教科書には時々ハッとさせられる面白い物語が取り上げられているので、気に入ったものは今でも何冊か手元に残しています。この本も特に印象深いもので折につけて読み返しました。
    だいぶ大きくなってから気付いたのですがこの本の訳者は村上春樹さんなのですね。この本が伝える異国の雰囲気を感じ取れ構成を理解できるには小学生の高学年くらいになると思いますが、この頃に良い本にたくさん出会っておくことは人生の財産になると思います☆

    投稿日:2002/10/23

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  • 不思議な魅力

    幻想的で、なんとも不思議なお話でした。静かだけど、ひきこまれます。最後まで読んで、やっぱり不思議で、何度も読み直しました。オールズバーグの絵本はどれも幻想的で、不思議な魅力にあふれてるなあ、と改めて思いました。色がきれいで、素敵な絵も素晴らしかったです。

    投稿日:2018/10/31

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  • 大人向けのファンタジー

    • じっこさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 女の子5歳、男の子2歳

    不思議なところにある船。その謎をおじいさんが語り始めるところから、物語が始まります。
    落ち着いたファンタジーという感じです。絵は派手ではないのですが、色合いが美しいです。
    オールズバーグさんのお話は幼稚園の子どもには少し早いかなという感じなのですが、これは船が空を飛んだりするので、少しおもしろさがわかりやすかったようです。オチはわかったいないと思いますが。

    投稿日:2017/06/23

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  •  翻訳者が小説家ということであれば、それがたとえ絵本であれ、小説家は絵本につけられた文章が気にいったのだと思いがちだ。
     そういうこともあるにちがいないが、この絵本に限っていてば、翻訳者の村上春樹はショートストーリー程度の文字数をもった文章が「極端に言ってしまえば、字が一字もなくてもこの絵本は成立してしまう」とまで、「あとがき」に書いている。
     もし、字が一字もなくなれば、翻訳者は必要なのだろうか。
     村上春樹は翻訳者としての自身の存在さえ消えてしまっていいと言っているのに等しい。
     それくらい、村上春樹はC.V.オールズバーグの絵に魅了されたということだ。

     表紙の折り返しにニューヨーク・タイムズの批評が掲載されている。
     その中で、「浮揚するイメージはマグリットのそれに匹敵する」とある。
     マグリットというのは、20世紀を代表するシュルレアリスム画家のルネ・マグリットのことだ。
     空に浮かぶ巨大な岩とか、鳩のからだに青空が浮かびあがる絵とか、誰もが一度はマグリットの作品を目にしたことがあるにちがいない。
     ニューヨーク・タイムズはC.V.オールズバーグの絵がそのマグリットと同じくらいの価値をもっているというのだ。
     たしかにC.V.オールズバーグの絵の巧すぎる絵にはなんともいえない肌ざわりがある。
     落ちつかない色づかいといっていいかもしれない。
     ましてや、この作品では海に浮かぶべきヨットが空に浮かぶのだという。
     そういう空中でのありさまが、巧すぎる絵全体を不安にさせているといっていい。
     そして、その不安感、それは重心のなさともいえる、は現代社会に生きる私たちの心のありようだともいえる。

     村上春樹は「オールズバーグの絵は我々にひとつの風景を示すと同時に、その風景を通じて我々自身の心の扉を内側に向けて押し開いている」と書いている。
     そういう絵がもたらすものに村上春樹が共鳴したとすれば、村上春樹の作品もまた「心の扉が内側に」開くことを目論んではいないだろうか。

    投稿日:2014/09/07

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  • 画力の持つ説得力

     この作品もオールズバーグの世界へ引きずり込まれてしまいました。
     
     海岸づたいに旅をし、小さな漁村に立ち止まった主人公。
     昼食の後、散策の途中目にしたのが、高い崖の上に横たわっている小さなヨットの残骸。
     近づいてみると、そのヨットの朽ちた木材の間に腰をおろしパイプを燻らせた老人が、このヨットにまつわる話をし始めた。

     ヨットの操縦の上手い少年が、天候の悪く大人たちも制止するのも聞かず、ヨットを外海へと出た。
     ヨットが転覆せぬよう嵐と闘った少年だったが・・・。

     ここから、現実の世界では理解できないような空間へ少年は入って行きます。
     空を飛ぶ船のシーンは、読んでいて口が開いたままでした。

     何ともミステリアスな世界を描ききるオールズバーグの色彩は、実際の世界では伺いしれない光景ばかり。
     しかし、こうであるに違いないと思わせられてしまう画力の持つ説得力。
     絵本を閉じても、言いしれぬ余韻を心に残します。
     息子は、こちらの世界へ戻ってきた少年が脚を折ったことと、この話を語り終わった老人が杖を使っていたことを繋げ、自分なりにストーリーを繋げたようです。

    投稿日:2010/10/25

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  • 映画を観ているよう

    • こりえ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子2歳

    高い崖の上に横たわる小さなヨットの残骸。
    嵐のときに高波に放りあげられたという老人の話に、信じられない様子の男。
    すると老人はもう一つ別の話を始めるのでした。

    ヨットが宙に浮かぶ光景は、幻想的で、それこそ夢のよう。
    映画を観ているような気分にさせられます

    この話が本当なのか作り物なのか。
    本当らしいにおいを漂わせながらも、それはハッキリと明かされないまま終わります。
    これがまた余韻をもたせるんですよね。
    オールズバーグの作品を読んだ後には、物思いにふけてしまうことが多々あります。

    投稿日:2009/04/08

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  • 幻想的な絵が必見

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    カルデコット・メダルを受賞したクリス・ヴァン・オールズバーグは、絵本の中に出現した、モーリス・センダック以来の最も才能豊かなアメリカのアーティストである。
    と評されていました。

    物語は、海を見下ろせる高い崖の上に横たわるヨットの残骸について、老人が語るというお話です。
    流石に、そのパステル画は幻想的と言えるくらいに奇麗で眺めていて飽きることはありません。
    浮遊するヨットを描いているのですが、正にピッタリの絵としか言いようがない程です。

    しかも、訳は村上 春樹氏によるもので、情緒的な訳は心に響くものがあって、この絵にこの訳ありというというところだと思います。

    ただ、絵本というジャンルを考えると、小学生以下ではこの内容は理解するには難しすぎるのではないかと思います。
    少なくとも、中学生以上でないと対象になってこないと思いますし、どちらかというと大人の絵本と言った方が相応しいのかも知れません。

    投稿日:2007/11/18

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  • その小さな漁村では、今でもこの不思議な光景を目にすることができます。海を見下ろせる高い丘の上に、なんとヨットの残骸が横たわっているのです。いったい誰がどうして、こんなところまで運んだのでしょう。……これはそのヨット・西風号にまつわる、自信過剰な尊大さがあだになったひとりの少年の奇妙な体験のお話です。ええ、誰も信じちゃくれないのですが、これは本当にあったこと……。

    光の魔術師・オールズバーグ。今回もこのひとの絵筆の放つ光は不思議。このストーリーの風変わりな展開を盛り上げるかのように、どことなく「ありえない」雰囲気の、幾分突き放したような感じのする光です。そこには「急行『北極号』」にみられた暖かさとはまったく違ったものがあります。空の色も、海の輝きも、どこか狐につままれたような、異次元の色合いと明るさ…。こうして彼の絵によって、わたしたちは今回のお話も現実のものなのか、本当に狐に化かされているのか、わけがわからなくなってしまう…。

    投稿日:2002/09/17

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