少年と子どもアザラシの友情の物語です。
老人と海に出かけた少年が目にしたアザラシ親子。
少年は子どもアザラシの自立を応援しつつ、自分も成長していきます。
言葉では表現されていないのですが、少年の足が不自由なことを知ってしまうと、少年がサーフィンで海に出ることが、少年にとってどんなことだったのか、その重さがどんどん膨らんでいきます。
荒海の四季、アザラシも過酷な自然の中で弱いものは犠牲になっていきます。
そんな中で、深まっていくアザラシと少年の友情。
荒波に海中に引きずり込まれた少年を助けたアザラシ。
やがて少年は成長し、子どもアザラシも親になります。
淡々と描かれる大自然の中のドラマ。
少年の足が不自由なこともその理由もあえて言葉にしないフォアマン。
絵本でありながら、壮大なドラマを感じさせてくれました。
文中に出てくる「ベートーベンの音楽」、いったいどの曲だったのでしょうか。