道に迷った3匹のねずみが、見つけた家に泊めてくださいと、戸を叩くシーンから始まります。
誰もいないのですが、大人なら直ぐに誰の家か感ずくはず。
それから、同じように道に迷った3匹のうさぎ、3匹のたぬきがやってきます。
この手の絵本に登場する役者は揃ったという感じでしょうか。
そこに現れた家の持ち主が、黒い陰で登場というのが最高に素敵です。
その時の9匹の動物達の怖がる姿なんて、それこそ共感できるシーンだと思います。
その後はホットするシーンがあって、話の起承転結がしっかりしているので実に楽しめる作品です。
一番気にいったのは、最後のページで、家の持ち主が9匹を抱えるようにして寝ているシーン。
良い絵だと思います。
また、随所で見られた赤いスカーフのねずみの大物ぶりというのも、伏線として面白いと思いました。
色鉛筆で描かれた絵は、とても優しいものなので、お気に入りの一冊とするお子さんも多いことでしょう。