『赤ずきん』といえば、自分が幼稚園の発表会で狩人役を演じたことを思い出すのですが、あれから50年以上もたっているのに話は鮮明に覚えているものの、絵本のイメージが浮かばず、初めて絵本を読んだに等しいのです。
赤ずきんちゃんはどんな女の子だったんだろう。
オオカミはどんなオオカミだったんだろう。
そして狩人はどんな人だったんだろう。
そう思って読み比べてみました。
グリムの絵本では、ワッツとツヴェルガー、それにホフマンが主な絵本作家のように思えますが、それぞれに自分の世界があります。
このワッツ版は、赤ずきんちゃんの扱いにおいて一番安定感がある作品のようです。
あどけない赤ずきんちゃんが、お母さんに言われておばあちゃんの家に。
無邪気な女の子だから、オオカミにも無防備です。
道草で花摘みに夢中になる赤ずきんちゃん。
おばあさんの家にたどり着いた赤ずきんちゃん。
そして助けられたときの赤ずきんちゃん。
よく考えると、おばあさんや狩人の存在感は少し薄いようです。
オオカミもあっさりと描かれています。
絵が美しく、安心して見ていられる絵本だと思います。