表紙絵を見て、ぬけるような素敵な青い空にため息をついてしまいました。
そこに、頬をさすような冷たい空気を感じながら。
でも、見落としていました。
読後気づいたのですが、サンティアゴ(盆地)のスモッグや大気汚染のようすも描かれていることに。
アンデス高地は、南米の貧困地。
ミアの住む村、キャンプ・サン・フランシスコも大きな街と雪をかぶった高い山々の間の小さな集落。
廃材を組み立てたバラックのような家々。
生活の糧を求めるものは、皆をお腹いっぱいにしてくれそうもありません。
“しかし、ミアにとっては、そこがふるさとで、世界だった。”
の一文に目がいきました。
そうですね、子どもは生まれたところが自分の世界。
生きるエネルギーに満ちているミアの生活の様子が、貧しいことなど頓着せず、生き生きとしていて清々しささえ感じます。
その世界をミアは希望をもって広げていきます。
村の風景が、ミアの持ち帰った“希望の種”のおかげで美しく変わっていくページは感動です。
とてもさわやかな、エンディングでした。