同じシリーズの“Winter On The Farm”がとてもよかったので、こちらも図書館で借りてきました。
“Winter On The Farm”のレビューにも書きましたが、この絵本は、後に作者ローラ・インガルスの夫となるアルマンゾの少年時代を描いたもので、児童書としては、「インガルス一家の物語」のシリーズに、“Farmer Boy”(「農場の少年」)として収められています。残念ながら、日本では、絵本版はまだ訳されていませんが、すでに出版されている他の「絵本・大草原の小さな家」のシリーズ同様、ルネ・グレーフの挿絵がすばらしく、小さな子から十分に楽しめる内容となっています。
今回は、アルマンゾの誕生日のお話。アルマンゾがもらった2つのプレゼントは、どちらもお父さんの心のこもった手作りの木製の品でした。
最初にもらったものは、アルマンゾが世話をしている2頭の子牛のくびき。2頭の子牛の首をつないで訓練するためのものです。単に子どもを喜ばせるためのものではなく、こうして「1人前」として成長した証に、自分の仕事に責任をもたせ、自立心を養うようなプレゼントを考えるところが、現代の親には欠けていることかな?と、自分自身のことを省みながら、そう思いました。
でも、ちゃんとアルマンゾの子供心を満たしてくれるプレゼントも用意してありました。お父さんの作ったそりに乗って、うれしそうに雪の上を滑るアルマンゾの顔は、本当に子どもそのものです。
ターシャ・テューダーの絵本と同じく、誕生日やクリスマス、ハロウィンなどの行事を、1つ1つ丁寧に、時間をかけ、心をこめて迎える、古きよき時代のアメリカの家族が、ここにもあります。