うさぎマンション うさぎマンション うさぎマンションの試し読みができます!
作: のはな はるか  出版社: くもん出版
うさぎマンションには、 画家、パン屋、音楽家、魔法使い… いろんなうさぎが住んでいます。1部屋ごとに進行する物語を 見つけて、楽しむ絵本。

マルベリーボーイズ」 みんなの声

マルベリーボーイズ 作:ドナー・ジョー・ナポリ
訳:相山 夏奏
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
本体価格:\1,600+税
発行日:2009年10月
ISBN:9784037267704
評価スコア 4.33
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  • 生き残る術

    かなり面白い。最初から話にぐいぐい引き込まれてしまった。読みものとしての面白さと、物語としての深さと両方を兼ね備えた傑作だと思います。

    主人公は、ナポリ生まれのユダヤ人の少年。ベニアミーノ、渡米後は、ドム。9歳。そして、私生児。
    彼は、母親の計らいで船に載せられ、アメリカに送られる。
    知りあいが誰もいない苛酷な新天地で、彼は自分の運命を一人で切り開いていく。

    9歳である男の子が、たった一人で、誰も知り合いのいない土地で、何故生き抜くことができるのだろう、というのが素朴な驚き。
    それは、彼がイタリア系のユダヤ人であるということが大きいのかもしれない。生きること、生き抜くことが第一義の命題であるから。種を絶やさないためにも。
    だから、その点が日本の子どもと根本的に違う点なのかと思った。

    決定的な違いがあるとして、でも、、この本を読むことで、生き抜くために必要なこととは何かを学ぶことはできる。
    主人公は、公教育は受けていない。けれど、生きるためにはどうするべきか、ということを叩き込まれている。
    それは、人の役に立つことをすべき、ということ。
    修道院の地下で、腐乱死体に慄きながら彼は、見事ワインを取ってくるし、母親と離れた不安の中でも、密航した船で船員のために働く、そして、渡米後の青果店で、野菜をきれいに並べて見せる。
    よく見ること、聞くこと。
    何より、仲間や味方をつくること。
    そして、本当の仲間や味方は、信頼によって得ることができること。信頼を得るためには、誠実であること。

    そうやって彼は、同じ浮浪児で年上のガエターノという一匹狼やパドローネによって搾取されているティン・パン・アレイ、青果店店主グランディネッティに出会っていく。
    少年たちが協力してサンドイッチを小売して利益を上げていく様は、商売の面白みを感じさせ、読んでいるこちらまで気分が高揚してくる。

    だが、 この話は単なる成功物語に終わらない。
    搾取され、虐待されているというひどい状況にありながら、そこを逃げ出すことより、何物にも属さない全くの自由が怖かったというティン・パン・アレイの告白に胸を衝かれる。
    主人公ドムは、そんな仲間のつらい現実を見ることにより、自分自身のつらい現実と再び向き合い、それを受け入れていく。
    これは、失われた家族を、彼が自分自身の力で築き直していく話であるのかもしれない。

    一般書にしてもいいくらい、完成度の高い作品なのではないかと思いました。

    掲載日:2011/11/18

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  • 10歳の誕生日プレゼントに贈りたい

    最近、YAと呼ばれるようなものを夫婦で読んでいます。

    『ヘブンショップ』は10歳でした。

    そして、この作品の少年は9歳。息子がちょうど9歳なので、

    夫からは「このぐらいの年齢が主人公の本を意識的に借りている?」と聞かれましたが、偶然です。

    イタリアに住むユダヤ人の少年ドムは、アメリカへたった一人で渡ります。

    途中何度も出てくるのが「生きのびなさい」という母の言葉です。

    『マルカの長い旅』ではポーランドに住むユダヤ人の少女が一人ぼっちになりますが、やはり生きのびていこうとしました。

    どうしてこの子たちはこんなに強くたくましいのか?と、自分の息子と比べて思いました。

    まず宗教があること、また祖母や母から生きのびるための生きた言葉を贈り物としてもらっていること、支えてくれる大人との出会い。

    自分を愛してくれる大人が、心をこめた贈ってくたれ言葉って、迷った時困った時の道しるべになります。

    日本のものだと『きもの』(幸田文)に祖母から主人公のるつ子は、処世を学ぶ場面が何度も出てきます。

    <子どもは自分の心の一部><母親がいれば、子どもは泣かない>というように、ドムに贈られた言葉は<>で出てきます。

    読後はとてもさわやかな印象が残りました。

    それで、どうしても同年齢の息子と比べてしまいました。息子を含めて日本の子どもたちは、どうかな?と。

    それで、私の負けず嫌いの一面が頭をもたげてきました。

    日本人だって、捨てたものではないということが子どもたちが思ってく

    れるような大人になりたいと、そう思った今日からがんばります。
    書き忘れました。

    息子の10歳の誕生日プレゼントに贈りたいです。

    掲載日:2011/02/26

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