平田昌広・作、鈴木まもる・絵のコンビのおとうさんの仕事シリーズの一冊です。
鈴木さんの描く絵は、どこか懐かしい感じがするので気にいっています。
実際のパンやさんの仕事場を取材して描いた絵は、実に精緻なもの。
余りに詳しすぎるので、絵本の範疇を超えていると思わせる程です。
おとうさんの仕事を紹介するというテーマを外れて、パン作りについての工程に重点があるように感じられるのが、勿体無いところです。
今回の作品も、おとうさんを取り巻く家族の姿が効果的に描かれています。
主人公のさきちゃんが、赤ちゃんが生まれたので、その分、おとうさんにもっと協力する姿があって、とても暖かい気持ちにさせてくれます。
さきちゃんが頑張る姿に共感をおぼえるお子さんも多いことだと思います。
我家の次男はパンが大好きで、ひと頃大きくなったらパンやになるんだと言っていました。
その時、この本と出会っていたら、どうだったろうと思います。
やはり絵本との出会いはタイミングがあって、逃さないように読み聞かせしてあげることも、親の責任ではないでしょうか。
一寸マニアックになり過ぎのきらいがありますが、パンやさんという仕事を知って貰うには格好の絵本だと思います。