この絵本に描かれている『お店』すべてが一つの街だったとしたら、それは昭和20年代後半から40年代くらいの世界かな〜と、思います。
この絵本は、作者の五十嵐豊子さんが全国を歩いてスケッチしてきた『お店』の集大成絵本。なので、実際に隣同士に描かれていても、このお店同士は全然違う土地に立っているんです。
なんとも不思議な感じがします。
昔懐かしい香りのする店構えがたくさん並んでいますが、1つ物足りなかったのは「牛乳屋さん」!!
自分の小さい頃にあった町の小さな牛乳屋さん。
お使いで牛乳を買いに行くと、その店の奥さんが大きな冷蔵庫の扉を開けて見せてくれたし、時々こっそり入らせてくれたのをかすかに覚えています。
あぁ、あんな牛乳屋さんをもう一度見てみたかったな〜。
この絵本に描かれているお店の中で一番懐かしくて嬉しかったのは、「畳やさん」でした。
畳やさんもうちの近所にあったんですよね〜。前を通ると畳の井草の蒼いにおいがぷ〜んとして、大好きでした。
実は最近、田端の駅近い商店街に「畳やさん」を見つけたんです。すっごくいいにおいがして店構えも立派です。
気になる方は行ってみてください。
この絵本が描かれてから、日本はまたまた近代化が進み、こういう昔ながらの店構えの建物はどんどん消えて行っている気がしますが、できるだけたくさんの素敵なお店にその姿のまま残っていてほしいな〜と、思います。
字はない絵本なので、お子さんたちとワイワイ言いながらじっくり見て楽しんでください。