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まほうつかいのむすめ」 みんなの声

まほうつかいのむすめ 作:アントニア・バーバー
絵:エロール・ル・カイン
訳:中川 千尋
出版社:ほるぷ出版 ほるぷ出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:1993年
ISBN:9784593502998
評価スコア 4.57
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みんなの声 総数 13
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  • 自分を知ること

    魔法使いと娘の二人暮らし。
    娘は名前もなく、生い立ちも知らないのです。
    閉ざされた世界に生活していて、外の世界も他人も知らない。
    考えるとすごいことです。
    娘は知識を得ることも情報もないから、何の疑問も感じないで育ったのです。
    子どもの心の成長を考えるとき、とても恐ろしい話です。
    なんの情報もなければ、姿かたちだけ大きくなって、まるで人形のようです。

    魔法使いが自分の老いを気にして、娘の相手をするゆとりがなくなります。
    そして不用意に娘に与えた本の数々。
    娘は知識を吸収し、知恵を育てていきます。
    魔法使いは「失敗した」と思うのですが、娘の自我が育ち自立が始まります。
    もともと名前がないという設定がすごい。
    魔法使いは親としての役割を果たしてはいなかったのです。

    娘は初めて魔法使いに疑問を持ち、反抗します。
    名前は何? 私は誰? 自分の母は誰?
    心の成長がなければ反抗期は生じないのです。
    やっとの思いで娘は外界に出て、実の親と再会します。
    父親を早くに亡くした貧乏な母子家庭に起こった悲劇でしょうか。

    この本は、ベトナム戦争の孤児を養女として迎えたアントニオ・バーバーが、その娘のために創作した物語だそうです。
    物語としては少し冷たい感じがするのですが、養女はどのように感じたのでしょうか。
    子どもの成長と親の心理的な関わり合いを考えるときに、とても学ぶところの多い本です。

    ル・カインの絵が和洋折衷であるのは、題材となったアジアと西洋を意識してのことでしょうか。
    芸術性と神秘性とどことなく幻想感の強い作品です。

    内容を受け止めるのは高学年からヤングアダルトかもしれません。

    投稿日:2011/11/27

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    2
  • まほうが使える≠幸せが得られる

    • たれ耳ウサギさん
    • 40代
    • ママ
    • 群馬県
    • 女の子20歳、女の子17歳、女の子15歳

    世界のてっぺんにある白くつめたい国のお城に住むむすめは、孤独の中をさまよっていた。
    広い広いお城にはまほうつかいである父とたった二人。その父でさえ相手をしてくれない。
    名前もなく父から「むすめ」と呼ばれる。
    淋しさを埋めるために読んだ本の中で「母」の存在、そして全ての人に「名前」がある事を知る。
    幼い頃の夢の中では確かに名前で呼ばれていた。
    自分は何者なのか、尋ねても魔法の力ではぐらかされたむすめは
    知恵を使い勇気をふりしぼりお城を飛び出す。

    自分を知りたいと思うむすめの一念と、ある日突然むすめが目の前から消え自分を責める母の想いが相呼応し宇宙を動かしたのでしょう。

    「どれほどの宝であろうと自由にかえられるものはなく、
    愛よりつよい力はありません」

    印象的なむすめの言葉です。


    多国籍というべきか無国籍というべきか、オリエンタルではあるけれど
    中世ヨーロッパの風情も醸しだし、今まで見たこともないような
    見事な挿絵にも感動しました。
    さすがル・カインとしか言いようがありません。
    むすめの憂いがページいっぱい漂う中、ル・カインの遊び心を垣間見る
    挿絵があり、これは一見の価値がありますよ。

    投稿日:2010/12/01

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    1
  • エキゾチックなイラスト

    『おどる12人のおひめさま』や『いばらひめ』など、妖艶で美しいイラストが印象的な、エロール・ル・カインの絵にひかれ、手に取りました。
    魔法使いの一人娘が、自分がどこの何者なのかを知りたくなって、魔法使いの宮殿を逃げ出して、本当の母親のところに帰るというお話。
    ル・カインのエキゾチックなイラストが、物語の不思議な雰囲気にぴったりとあっていました。大人にもおすすめの絵本です。

    投稿日:2023/04/19

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  • 和洋折衷

    • まことあつさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子7歳、男の子5歳

    100歳までに読みたい本として自分探しというテーマで
    紹介されていたのですが、
    面白かったです。

    エロール・ル・カインの絵も
    お姫様が中国や日本風なのに対し、
    魔法使いが西洋風で
    彼の生い立ちも影響しているのでしょうが
    洋風なら洋風、中華風なら中華風の方が
    違和感なく眺められますが
    和洋折衷でちょっとした違和感が意外に面白かったです。

    文章は長いのですが、
    (家事で夫に代わりに読んでもらっていたのですが)
    読んでいる夫がダウンして
    「途中でやめようか」と言ったのですが、
    繰り返しのある流れもあり、
    お話も気になる展開だったので
    8歳児と一緒に「最後まで読んで」と
    夢中になって聞きました。

    次の日、気になってもう一度最初から一人で読みました。
    少し大きい子向けかもしれませんね。

    投稿日:2020/08/25

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  • 和洋折衷の美しい絵

    表紙の和装にも見える黒髪の女性が
    主人公の「まほうつかいのむすめ」です。

    魔法使いというちょっと洋物っぽい響きなのに
    娘がアジア系???

    タイトルの前に
    「地球を半周飛んでやってきた私たちの娘のために」とあります。
    どうもこの絵本は、とても個人的な目的で描かれたように感じ
    その気持ちのまま読み進めました。

    名前も与えられず、幽閉され、でも何不自由なく育てられた娘の悲哀がつづられています。
    ラスト、本当の家族に出会うのですが
    人が満たされた気持ちで心豊かに暮らすのには
    物で満たされるだけではだめなのだと強く感じました。
    娘のセリフが印象的です。
    「まほうつかいは、ありあまるほどのものをくれました。けれども、愛と自由だけは与えてくれなかったのです」

    訳者のあとがきには
    この本が、作者がベトナムから迎えた養女のために書いたとかかれていました。
    それゆえに、ちょっと多国籍なタッチの絵なのですね。
    1ページ1ページが本当に美しいです。
    そして、迎えた養女をとても愛している里親の心があふれています。

    投稿日:2017/05/21

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  • 何を幸せと思うか? 

    魔法使いの娘は、何に不自由なく育てられたかのように思えました
    しかし、名前もなく「むすめ」と呼び
    他の人間との関わりもなかったので、自分の美しさを比較する物がなかったのですね。

    まほうつかいは、父親であるのですが 自分の老いを感じ 永遠の若さをてにいれたいと思い、魔法の本を読みふけるのです。(魔法使いでさえこんな事を感じるのですかね?)

     娘が話しかけるのも 煩わしくなり、話しかけられるのも嫌うのです
    そこで 娘に本を与えます。
    娘はいろんな知識を知りるなかで 自分が今までに考えもしなかったいろいろな疑問を感じるのです
     「名前を教えてほしい」と言うのです。
    知識を得たことで 自分のルーツを知りたい 母親のことを知りたいと思うのです
    この変化は実に見事に描かれています。 人が成長すると言うことはこういう事だと思いました
    魔法使いも自分の生と死の事で頭がいっぱいで、娘の質問に答えるのですが、真実は言わないのです。 娘は小鳥になり厳しさに立ち向かいます。
    その結果 娘は本当の母親と兄と出会うことが出来ました
    貧しい暮らしの母親や兄と出会いますが、今まで知らなかった愛・自由を得ることが出来たのです

    失った物も有りましたが 大きな物を得たのですね
    何が幸せかを考えるお話でした

    エロール・ル・カインの絵は東洋と西洋が混ざり合った見事な美しい絵です(絵画展の絵のようです。見応えがありました)

    後書きを読み 作者がなぜこの話を書いたかが分かるような気がしました

    投稿日:2011/12/20

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  • 美しい絵

    魔法使いもきっと孤独が嫌だったのだと思うけれど、自分が老いていくので永遠の若さを手に入れるのが必死だったのでしょう・・・・
    娘との生活、自分が死んでからの娘の心配をきっとしたに違いないと思いました。娘を母親に返したくない、娘を傍に置いておきたいと思いました。娘が離れていってしまった魔法使いには、きっと永遠の若さはもう必要がなくなったのだと思いました。どんなに貧しくても我が子を離したくない母親の気持ちが娘に伝えられてよかったと思いました。娘の、「どれほどの宝であろうと自由にかえられるものはなく、愛より強い力はありません。」が、言葉に響きましたが、魔法使いの娘に対する愛だって本物だったと思いたい私でした!ページ毎の絵が素晴しいです

    投稿日:2011/12/04

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  • 娘がいってしまった後の魔法使いは?

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子14歳、女の子10歳

    ヨーロッパの、特にスペインには、若い男が力の強い魔法使いの娘を好きになり、娘も人間の男を好きになって駆け落ちをしようとしますが、魔法使いが許さず、何度も追ってきて、娘と人間の男に魔法をかけたり、無理難題を言いつけたりする昔話が残っています。
    だから、最初この絵本を見たときは、そのお話の現代版か、
    アントニア・バーバー風に作り変えたものかと思ったのですが、
    違ったようです。
    訳者の後書きを読むと、アンとニア・バーバーはベトナムから養女を迎え、彼女のためにこの話を書いたということでした。
    だから、「魔法使いの娘」の顔は東洋風なのですね。

    エロール・ル・カインの絵は、1ページ1ページ絵画展をのぞいているような素晴らしい絵でしたし、物語の雰囲気がすごく出ていて、見ごたえがありました。
    しいていうと、「娘」がいってしまった後の魔法使いがどうなったのか、知りたいです。

    投稿日:2010/04/24

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  • 美しく、悲しい

    エロール・ル・カインの絵は、夜のベッドに向かう子供達をまず間違いなく、儚くも美しいお話の国へと誘うでしょう。
    色合いの素晴らしさ、ストーリーのオリエンタルな異国情緒綾なす魔法のカタチ。
    私は誰?
    私は何処から来たの?
    ともすれば、そのまま、そこに居た方が幸せかもしれない一人ぼっちの美しい魔法使いの養い娘。
    遥か遠い国が、すぐ目の前に広がりますよ。

    投稿日:2003/12/19

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  • ル・カインの絵の美しさ。

    幻想的なお城がとても素敵で、憂いに満ちた表情の
    まほうつかいのむすめも東洋的な美しさが際立っています。
    むすめが本を読むところは、よく見ると有名なお話が
    たくさん表現されていて楽しいです。
     
    愛と自由の尊さをうたっていますが
    まほうつかいにはそのどちらもないのですね。
    老いと死に立ち向かうのには秘術ではなく愛が必要。
    それに我知らず気づいてむすめを誘拐してしまったのかもしれません。
    いつか彼にも気付いてほしいです。

    投稿日:2009/02/18

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