大人向けの本だなと思います。昔話の設定になっていますが、時代を超えている
話だと思います。
おばあさんの言う、
「わたしはね、おじいさんと ふたり いっしょに としを とってきて、とても
しあわせですよ。だから、また わかくなって、もう いちど としを
とりなおすなんて、 ごめんです」
と言う言葉、そんなことを言われたおじいさんは、本当に幸せ者ですよね。
この言葉は、逆に、作者の佐藤さとるさんが奥さんに贈りたい言葉なんじゃないか?!
なんて勝手に思ってしまいました。
銀婚式や金婚式を迎えた近しい人に、この本をプレゼントすると言うのも素敵かなと
思います。
小さな子供でも十分に、佐藤さとるファンタジーを楽しめる話ですが、本当のよさを
感じられるのは、大人かなと思った本です。
また、おばあさんが川へ洗濯へ、おじいさんが山へしばかりへという設定が、あまりにも
有名な話を連想させられて、そこにも作者:佐藤さとるさんのお茶目さが窺える気がします。
心にぽっと温かさを残してくれた話でした。