シェル・シルヴァスタイン氏といえば 「おおきな木」! でも、私はこちらの作品の方が好きです。 シンプルな線で描かれた 一部分が欠けた「まる?くん」が、そのかけらを探しに行きます。 絵だけをパラパラと見ていくと、完全な丸になるかけらを探して、幼児でも楽しめる絵本なのかもしれません。 しかし、大人にとっては多くを考えさせられる一冊だと思います。
「何かが足りない。足りないかけらを探しに行く。」と読んだだけで、 完全な姿=まん丸 と疑いもなく考えてしまった私は、この本のエンディングに強く心打たれました。
原本「The Missing Piece」。 「欠けている片=かけら」と直訳するのでしょうが、「ぼくを探しに」となると、「あ・る・は・ずのかけら」となっているような気がしてなりませんでしたが、倉橋 由美子さん(訳者)のあとがきを読んで、再度、この本の奥深さを痛感した思いでした。