「こんたのおつかい」 じいじ・ばあばの声

　絵とお話がシンプルでかつマッチングしていて、その上で両方ともとても素敵です。
　こんたがおつかいにでかける穏やかな里の雰囲気が漂う導入、怪しげな「もりのみち」で出会う波乱に満ちた展開、そして、夕焼けの里で母親に迎えられるこんたの喜びの結末。
　作者紹介に「自然の中を走ることが大好き」とありましたが、山里の魅力がいっぱい感じられるのは、そんな所からもきているのでしょうか。

　本書をとても気に入った様子の６歳近くの孫娘の感想。
　「とうふやさんのこのくまさんは、（怖いもりのみちを）知っている（経験している）んだよね」
　そうなんだよね。
　「怖い『もりのみち』を通ってはいけない。安全な『はなのみち』を通りなさい。」と言うお母さんやくまさんは、本当は、『もりのみち』の「てんぐ」や「おに」や「おばけ」に、こんたがさらわれたり食べられたりすることがけっしてないし、『もりのみち』を通ったこんたが大きく成長していることも分かっているんだよね。
　だって、くまさんもラストページのこんたの家族もみんなニコニコ顔。

「こんたのおつかい」題名とおりの楽しい絵本ですネ。

お母さんに用事を頼まれて忘れてはいけないので、
つぶやきながら出かけますが、やっぱり途中で
そのことばが何か違うことばに変わってしまい
頼まれた用事を済ませることができなかった
遠いむかしの想い出がありました。

でもこんたはよかったですね。
ちゃんと　頼まれた買い物ができ、
夕食はみんなと大好物のいなり寿司を食べられましたから。

おそろし村行きの青いバスにのってしまったこんたくん。
ちゃんとお母さんの言うことをきいていなかったのかな。
おばけがどんどん乗ってきて、ちょっとこわい感じのお化けも
いたし、おばあちゃんちにいたおばけは、一番こわかったです。
走って、走っておじいちゃんとおばあちゃんにあえてほっとしました。

全頁試し読みで読みました。コンタのように、「ダメ！」って言われると、一度は試してみたくなる気持ちは、理解出来るだけに「森の道」を通りたくなるのは、納得です。コンタの顔の表情に目が渦巻きのようになっているのには、爆笑してしまいました。「はなのみち」は、のどかで景色も綺麗で、コンタがスキップしてにこやかに嬉しそうにしているので、読んでいる私も嬉しくなりました。コンタは、とても可愛かったです！とうふやさんのご主人も優しかったし、コンタの帰りを心配して迎えに来ているお母さんも素敵でした。