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新・今昔物語絵本 鬼のかいぎ」 みんなの声

新・今昔物語絵本 鬼のかいぎ 作:立松 和平
絵:よしなが こうたく
出版社:好学社 好学社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2018年03月20日
ISBN:9784769023364
評価スコア 4.67
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  •  「でんせつのきょだいあんまんをはこべ」で話題のよしながこうたく先生の迫力ある絵に期待し、読みました。

     「今昔物語集」の説話を種に書かれたこの作品は立松和平さんらしい作品だと唸りました。
     これが遺作になったとは、残念です。

     昨年度の小学校の「卒業おめでとうのお話会」で、最後に司馬遼太郎の「二十一世紀に生きる君たちへ」を紹介しました。
     彼もまた、昔も今も変わらないことは“全ての生き物は自然に依存しつつ生きている”こと。
     “人間も自然によって生かされてきた”こと。
     先人は、“自然を畏れ、その力を崇め、自分たちの上にあるものとして身を慎しんできた”こと。
     等々、力強く筆で訴えています。
     
     こちらの作品を読み、絵本の形でも、こんなに子どもたちに切々とメッセージを語りかけられるのかと感動しました。
     
     今では想像もつかないほどの大きな木が、その木の陰になる村の稲作の生育の邪魔になると切られていまいました。
     人間の生活は潤ったかに見えましたが、都のはずれの森の鬼たちが怒り出し会議を開きました。
     
     この鬼たちの姿・様子は迫力のある絵で恐ろしいのですが、彼らの下した決断のなんと賢く寛容な事か。
     彼らのなんとも可愛いらしく愉快な人間への警告とも言える働きかけに小さな読者さんは喜ぶことでしょう。
     人間たちは気づき、大木へ謝りお祓いをします。

     ここで本来は“めでたし めでたし”なのでしょうが、立松作品は自然への畏れが薄くなった現代の私たちへのダイレクトなメッセージをもって、お話を閉じています。

     司馬さんのいうとおり、“人間は決して愚かではない。自然に対し、いばりかえっていた時代は、二十一世紀に近づくにつれて、終わって行くに違いない”というあくまでも人間を信じた気持ちを裏切りたくないものです。

     高学年にお薦めだと思います。

    投稿日:2011/10/24

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    3
  • 世界観を創る渾身の絵

     「給食番長」のよしながこうたくさん渾身の絵が、立松和平さんの世界観を何倍にも膨らませて感じさせてくれます。
     国語の教科書に立松さんの作品が載っていますが、国語に苦手意識があり、立松ワールドに入っていくにはどうしてもハードルの高い子もいます。
     この絵本は、立松作品が好きな子にはもちろんですが、苦手意識をもつ子供たちにこそ立松作品入門書としてお勧めです。
     高学年なのに、ちっとも本を読まないとお悩みのおうちの方、まずは「給食番長」シリーズから始めて子供の心をつかみ、「鬼のかいぎ」で、立松ワールドに触れ、他の作品にも興味を持つようにしてはいかがでしょうか?

    投稿日:2013/01/03

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    1
  • 一番重い「罰」

    • 風の秋桜さん
    • 40代
    • その他の方
    • 埼玉県
    • 男の子、男の子

    テーマは自然破壊に対する人類への警鐘
    でもここに登場する「鬼」たちは一人を除いて決して人間に対して強行策をとりません
    読んでいる側が歯がゆくなるほど、温厚に警鐘をするのです
    何百年何千年かけても・・・・

    作者の立松和平さんは残念ながら昨年急逝されました
    絵本に登場する見かけは怖い鬼たちの温厚さは、立松さんの姿と重なりあうようです

    心の中には自然破壊に対する炎のような怒りが渦巻いていたのではないでしょうか・・・
    人類が自ら気付くこと・・・それは一番重い「罰」なのかもしれません・・・

    投稿日:2011/11/08

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    1
  • 非科学的な視点について考えさせられました

    環境破壊について考えさせられる良いお話だったと思います。
    絵本の内容自体は非科学的な内容ですが、「非科学的な視点を不必要なものとして切り捨てる考え方はどうなのだろう」と考えさせられました。興味深いお話でした。

    投稿日:2022/10/31

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    0
  • 愚かな人間に警告

    よしながこうたくのパワーのある鬼の絵とタイトルに惹かれて図書館から借りてきました。「人間は木の本当の大切さをわかっていない愚かなものだから、せっかく水を生んでくれる木を切ってしまう。百鬼にも人間にも大切な木を、ふかい考えもなく切ったらどうなるか、まずは人間たちに、教えてやろうではないか」に、真摯に受け止めたいと思いました。もうこれ以上自然が怒らないように自分に出来ることが少しでもゴミ一つから少なくしていきたいなあと思いました。

    投稿日:2019/03/10

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    0
  • 重いテーマをユニークに

    絵が迫力ありますね。
    どんな鬼にお話かと思ったら、環境破壊をする人間と、それを知らせようとする心優しき百鬼のお話でした。
    普通の昔話のように、めでたしでは終わらない、現代を生きる人間達への想いを描いて終わります。一見ユニークなお話ですが、自然への想いが詰まった作品でした。

    投稿日:2018/04/07

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    0
  • 重い

    最重量級です。

    絵もお話も。

    立松和平さんの、自然破壊に警鐘をならす文に、よしながこうたくさん

    の力強い絵が、がっぷり四つを組んだ感じで、メッセージが倍増して伝

    わってきます。

    この絵を描くために、よしながさんは、100の新しい妖怪のキャラクターを

    考え出されたと聞きました。

    それはそれで、画家魂を感じます。

    学校で、6年生に読みました。

    絵にも文にも圧倒された様子で、身じろぎもせず、静かに聞き入ってい

    たのが、印象的でした。

    投稿日:2015/01/24

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  • 立松和平の遺作

    小説家の枠を超えて活動を続けていて急死した立松和平の遺作が絵本というのも不思議な気がしますが、この絵本には立松さんの追求した仏教哲学、環境問題への思いが集大成として取り込まれているように思います。
    琵琶湖の近くにある想像もつかない大木は、人々の自慢でありながら大樹の陰となる村では稲作を邪魔する厄介者。
    村人は大木を切ることを願い出て、帝はそれを受け入れたのでした。
    木のなくなったことに怒った百匹の鬼たちが話し合い、人間たちへの戒めを始めます。
    過激な鬼もいる中で、穏健派の鬼もいる。
    穏健な鬼たちの活動は人間の前では歯が立たず、次々と倒される大木を守りたいという環境保全の思想も伝わりません。
    再び結集した百鬼たちの出した結論は、何百年、何千年かかろうとも環境保全の思想を人間にわからせようというものでした。
    鬼たちは物の怪として様々な自然現象を起こします。
    やっとそれに気づいた人々は反省し祈祷したのです。

    けれども、開発は止まらなかった。
    話は現代に移り自然破壊は続けられます。
    最後は立松さん本人の願いとして、自然破壊の収束を訴えて終わります。

    立松さんは、処女作『遠雷』から一貫して自然との共存を願い続け、環境破壊への問題提起を続けてきた作家です。
    時に小説の中では破滅的な描写を続けながらも、当人は決して強行的な主張をする人ではありませんでした。
    立松さんが生きていたら、あの大災害をどのように記述するのだろうか。

    絵本を読み終えて思いました。
    『飼育係長』、『あいさつ団長』のよしながこうたくさんの絵ですが、この本は子供向けではなさそうです。
    今昔物語に題材を得た立松さんの願いをしっかり受け止めました。
    合掌。

    投稿日:2011/09/01

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