大昔、絵本の研修会で伺ったことです。講師は現在有名な児童文学者の方でした。ある幼稚園の保護者会で講演した後に、一人のお母さんから質問があったそうです。動物の絵本を選びたいのだがどんなものがよいのか…。先生は迷わず「かばくん」を薦めたそうですが、その母親は怪訝な表情で立ち去ったとのこと。きっとたくさんの動物が登場する図鑑的な絵本を求めていたのだろうとのことでした。動物の絵本は様々ありますが、きっかけとなる絵本は、正確さを大事にしている内容であることなどを中心にして慎重に選びたいものと同感しました。
「かばくん」につづいて「かばくんのふね」は2年後に出版されました。かばくんと動物園の仲間たちが洪水に遭ったお話しと、素直に読めば楽しくやさしいお話しなのですが、かの講演会のお話しが未だに忘れられないでいる私には、こちらは少々物足りない感じがしました。動物園が洪水の被害に遭うことはあるでしょう。でもだからといって、他の動物たちが我が子を助けて!とかばくんに依頼するのかなぁ。
絵本の講演会にはあまり足を運ばない方がいいのかもしれません。何か最近、疑心暗鬼になっている私のようですね。もっともっと素直に向き合わなければ。