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まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

絵本玉虫厨子の物語」 みんなの声

絵本玉虫厨子の物語 作:平塚武二
絵:太田 大八
出版社:童心社 童心社の特集ページがあります!
税込価格:\2,530
発行日:1980年
ISBN:9784494024094
評価スコア 4.5
評価ランキング 8,294
みんなの声 総数 5
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  • 飛鳥時代、仏様の功徳を伝えるための仏像や寺院などが次々と建立されていた。外国からも多くの技術者、芸術家たちが訪れ、職人たちが切磋琢磨していた時代。若い仏師が修行の果てにたどり着いた究極の美とは…

    学校の歴史の教科書にも載っている「玉虫厨子」。昆虫の羽根を貼り付けて美しさを表現したということが大変、印象的だった。その厨子を作った人については、いろいろな説があり、本当のところはわかっていないらしい。そのため、仮に「若麻呂」と名前をつけて、現代にも残る国宝となった厨子を作るに至った経緯を、物語る。
    絵は、当時の絢爛豪華で自由な気風を感じられるような、不思議な色使い。多くの国から技術者が来日し、勢いがあった都市で、めいめいが意欲的に仕事に取り組んでいたという時代を感じる。

    一方、庶民の生活と富裕層の生活の落差もはっきり描かれており、人間の社会の構図が容赦なく表現されている。

    物語の主人公、若麻呂が、美を追求するにつれ、日常生活から狂気の世界に突入していくさまは、いろんな制限を超越した境地だ。いつの時代でも一芸に秀でたものは、どこか普通とは違う鋭い狂気のようなものを持っているように感じられる。人間の心の動きを、深い洞察力で表し、時代の空気と共に表現した稀有な一冊。浮世離れしたいときにどうぞ。

    投稿日:2021/02/26

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  • よみごたえがある絵本

    文、絵ともに、読み応えのある本でした。
    有名な玉虫厨子ですが、授業で習った国宝という記憶だけで、くわしくは知りませんでした。
    ですが、この絵本を読んではじめて、玉虫厨子という存在がしっかりと自分の中に息づいた感じです。
    その時代に思いをはせられる絵がすばらしいので、飛鳥時代頃の歴史を勉強するさいにも、おすすめの絵本だと思います。

    投稿日:2015/09/18

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  • 美しいということ

    • もゆらさん
    • 50代
    • その他の方
    • 神奈川県

     まだその名前が日本と呼ばれていなかった頃、飛鳥の時代のおはなし。
    海の向こうから、仏教というあたらしい文化が入ってきました。
    この世の有り様、人の有り様を、
    真理の身代わりとなられた釈迦という仏に学ぶことで
    すべての苦しみから解放される、そう努めれば
    誰でもが等しく得られるとされた価値観でした。
     仏さまの国はそれはそれは美しいと、経典に記されていましたから
    仏師たちは命がけで、美しさを求めました。
    主人公の若者、若麻呂もそのように努力します。
    しかし若さゆえ、外見にばかりとらわれ、やがて行き詰まります。
     こころの鎖を解いたのは、玉虫の存在でした。
    子どもの手に捕らえられていた、一匹の玉虫を見てからというもの、
    昼も夜も玉虫採りに明け暮れ、とうとう気がふれたと噂される始末。
    本当は玉虫に、玉虫以上の美しいものを山と見せられ
    自身の考え、こころの未熟さに気付かされたのです。
    極上の玉虫厨子を仕上げた後、若麻呂は姿をくらますのです。

     おはなしは長いですが、決して難しい絵本ではありません。
    幼い頃に知る、感じる、考える、その大切さは量り知れませんから。
    奈良の都の空気を、今に運んでくれた平塚さん、太田大八さん、
    童心社のみなさんに感謝です。

    投稿日:2015/03/23

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  • 玉虫に魅せられた男

    飛鳥時代に造られた玉虫厨子の由来について、歴史背景に裏付けヨられたかなり重厚なお話です。
    日本史に出てくる事柄がちりばめられているので、高学年以上を対象とした作品でしょう。
    厨子造りに心身打ち込む若者は、周りの人からは狂人のように思われ、恋人さえも去っていきます。
    かつてものに打ち込むということは、これだけの思いと執念が必要だったのでしょうか。
    厨子造りで行き詰っていた若者と玉虫の出会い。
    男にとっては何にも代えがたいものだったのでしょう。
    歴史の重さを痛感させられました。

    投稿日:2014/05/02

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  • 見過ごしていた歴史

    • レイラさん
    • 30代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子11歳、男の子9歳

    歴史で習う玉虫厨子(法隆寺の仏像を入れる置物)は有名ですが、
    よおく考えてみればなぜ玉虫なんて名前がついているのでしょう。
    そう、不思議な光沢を持つ玉虫の羽が実際に装飾に使われているからです。
    当たり前なのですが、今まですっと聞き流していた事実が
    目の前に立ち現れる、という印象を受けました。

    歴史にあまり興味の無い長男の反応は今ひとつでしたが、
    私は玉虫を使うという発想に感嘆しきり。
    歴史物が印象的な平塚武二さんの文章に惹かれ、
    太田大八さんの重厚な絵に法隆寺の世界を旅しました。
    歴史好きな子には人気がある絵本のようです。

    投稿日:2005/07/21

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