話題
まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

ペツェッティーノ」 みんなの声

ペツェッティーノ 作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社 好学社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:1978年06月
ISBN:9784769020073
評価スコア 4.53
評価ランキング 7,030
みんなの声 総数 35
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35件見つかりました

  • 芸術的で、深い、「絵」本!

    • ピクルスさん
    • 30代
    • ママ
    • 愛知県
    • 女の子5歳、男の子1歳

    小さくて四角い、かわいいペツェッティーノの、自分探しのお話です。
    あんまり小さくて、自分自身を誰かの部分品としか思えなかったペツェッティーノ。
    でも、こなごなじまで、自分がばらばらになったことで気づいたのです。
    「じぶんも みんなとおなじように ぶぶんひんがあつまって できている」と。
    自分が、誰かの部品ではなく、かけがえのない「ひとり」なんだということ。

    5歳の娘には、そのお話の深さは伝わったのかわかりません。
    最初に「ぶぶんひん」の意味だけは説明して読んであげたのですが、
    ペツェッティーノが粉々になったのに喜んでいるのも「???」な顔でした。
    このストーリーが心に響くようになるのは、思春期・青春時代真っただ中の中学生や高校生くらいなのかもしれません。
    でも、きっと中高生はなかなかこの絵本に出会えないだろうな…と、もったいないような気持ちになりました。

    それでも、小さな子どもでも、絵を純粋に楽しめるほど、
    この絵本の「絵」は魅力的です。
    マーブリングで波や岩を表現した部分は
    「これってほんとに石がごろごろしてるみたい」と感心し、
    四角いブロックのような「ぶぶんひん」でできている、
    「はしるやつ」「つよいやつ」「およぐやつ」「かしこいやつ」・・・
    抽象的なんだけれどそれらしい形や色で、
    登場するたびにおもしろがっていました。

    私自身も、お話を頭に入れてから
    じっくりとページをめくり絵を眺めるのが楽しかったです。
    どうやったらこんなふうに、描けるんだろう・・・と興味津々です。
    レオ・レオニ展に行ってみたくなりました。

    親子それぞれに楽しめる絵本だと思います。
    「ほんもの」の芸術作品を、お子さんに見せてあげたい方に
    レオ・レオニさんの絵本はおすすめです。

    投稿日:2013/07/01

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  • この絵本を手に取ったきっかけは、絵。
    絵がとても美しい。
    マーブルの技法で、さまざまな色で効果的に地面や水面を表現している。
    とはいえ、余白も大切にして、ゴチャゴチャしすぎない。

    が、本を買ってストーリーを読むと、結構奥深い。
    ペツェッティーノが自分探しの旅に出かける。
    はしるやつ、つよいやつ、およぐやつ、かしこいやつ、などなど、さまざまな特徴のあるものに出会う。
    そして、ベツェッティーノ自身も、自分について発見がある。

    子育てで自分の時間がなく、自分について考えることがなくなっていたり、自信をもてなくなっていたのだけれど、「自分は自分」と等身大の自分を受け入れられた本。
    いろんな個性の人がいて、それでいいんだ、と少しほっとできました。
    ただし「ぶぶんひん」という言葉がたくさん使われているのだけれど、これは幼い子どもには概念が難しいかな。

    投稿日:2013/06/29

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  • 自分を好きになること

    色の鮮やかさに惹かれて開きましたが、シンプルな表紙からは想像もつかないほど深い内容の絵本でした。

    その中に含まれているメッセージは一見大人向けに感じますが、
    小さな子は純粋に色彩で、少し成長した子はペツェッティーノの冒険物語として、一生楽しむことができると思います。


    ペツェッティーノには、手も足も、表情もありません。
    だからこそ、きっと子供たちは彼の気持ちを想像します。大人ならば自分に重ね合わせるかもしれません。

    ペツェッティーノの心の中は、見る人によって大きく変わるかと思いますが、
    私には、“自分は何者だろう”と考え行動する彼の姿は、悲観的なものには見えませんでした。
    彼は好奇心旺盛で行動力があるし、結果を恐れずに船に乗る姿はとても勇敢でした。

    けれども、こなごなになった後の一文で、あっと思いました。
    “「ぼくは ぼくなんだ!」かれは おおよろこびで さけんだ。”

    ペツェッティーノはずっと、世界でたった一人しかいない自分を、好きになりたかったんだと思います。
    小さくて何の特技もない自分でも、誰かの一部でなく世界でたった一人しかいない“ペツェッティーノ”だと分かった時、初めて自分の事が好きになれたんじゃないかなと。

    はしるやつ、つよいやつ、およぐやつ。
    彼らも、一見似ているようで、全く違う色で出来ています。
    みんながみんな、世界でたった一人の、大切な存在です。

    自分を好きになり、他人を認め合う事が出来れば、世の中はもっと素敵になるだろうなと思いました。
    だからこそ、“ペツェッティーノが うれしそうだったから みんなも うれしかったのさ”というおしまいには、とても優しい気持ちになりました。

    投稿日:2013/06/30

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  • 思春期に自信を持つためにも・・

    • きゃべつさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 男の子11歳、男の子9歳

    自分に自信のないペツェッティーノが、自分は部分品だと思い相手探しの旅に出かけます。
    しかし、自分も部分品の集まりである一人の自分だと気づきます。

    このペツェッティーノの旅は、思春期の子供の自分探しや、
    特技がなくて自信の持てない大人の人の悩みにも思えます。
    本当の自分なんてものはなく、今あるその姿が自分そのものなのだという強いメッセージに、とても共感しました。
    どんな姿でも、その姿を受け入れてくれる友達に囲まれていれば幸せなのです。

    これから難しい時期を迎える息子たちのために(長男はその時期に入っていますが)本棚にそっと置いておこうかなーと思いました。
    小さいときに読んでもピンとこなかったかもしれないけれど
    今読むと、彼にも感じるものがあるような気がします。
    親からは直接言えないメッセージが詰まっている一冊でした。

    投稿日:2013/06/29

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  • 将来、うちの娘たちにも

    自分は「何かの一部」ではなく、
    「自分は自分なんだ」ということを教えてくれるお話です。

    こなごなじまに行ったペツェッティーノは、
    自分自身も、いろんな部分が集まってできていることに気付きます。
    全部併せて自分、ということですよね。
    とても抽象的ですが、とても深いお話で
    読めば読むほど、昔の自分を思い出しました。

    「自分って何なのか?」
    自信がなくて、悩みに悩んだ10代・20代の頃の自分を見ているようでした。

    何かの一部でありたい気持ちと、自分は自分でしかない気持ち。
    前向きに受け止められるようになった時、人は一歩前に進むことができるような気がします。

    もし私が10代の頃にこの本と出合っていたらハッとしたのではないか?と思います。
    もちろん、悩みに悩んだことも含めて今の自分があるので
    悩むことは大事なことだと思っています。
    でも、悩みを軽くしてくれるものの存在は貴重です。

    将来、うちの娘たちも自分について悩むようになったとき、
    そっとこの本を添えてあげられたらいいなと思います。

    投稿日:2013/06/29

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  • 自分は自分

    副題は「じぶんをみつけたぶぶんひんのはなし」・・・絵もかなり抽象的で、読み聞かせた息子には少し難しかったようでした。

    他のみんなと違って、小さくて、素晴らしいことは何一つ出来ないペツェッティーノは、きっと自分は誰かの一部なんだと思っていた。
    しかし色々聞いて回っても、誰ひとり自分に足りないものなんかないと答える。

    どの生き物も、すべてカラフルな四角で構成されているので、確かにペツェッティーノが何かの部分品なのかもと思えてしまい、息子は「何の部分品なんだろうね?」と先が気になるようでした。

    でも、違いました。ペツェッティーノは誰かの部分品などではなく、彼もまた足りないものなど何一つ無い自分そのものだった。
    「ぼくはぼくなんだ!」
    たとえ小さく、走ったり飛んだり泳いだりすることが得意でなくても、たとえ力が弱かろうが、賢くなかろうが、自分は自分であるということ・・・

    レオ=レオニの作品はメッセージ性の強いものが多く、この作品もまた大人が読んでも考えさせられる内容でした。
    自分は自分、でも決して孤立ということではなく、ペツェッティーノにも最後一緒に喜んでくれた友だちが沢山いたように、自分自身を大事に出来るからこそ、他をも尊重出来る、そんなメッセージもまた感じることが出来ました。

    投稿日:2013/06/27

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  • 待っていた友だち

    ペツェッティーノが自分探しを終えて
    こなごなじまから帰ったとき、ともだちがひとりのこらず
    彼をまっていた。

    たった一言ペツェッティーノが「ぼくは あなたの ぶぶんひん
    ですか?」と聞いただけの彼らが一人残らず待っていてくれた
    なんて!と驚きとともにとても嬉しかったです。

    それだけペツェッティーノの姿が必死で彼の帰りを気にかけながら
    待ちたいと思わせたのか。彼らも大きかったり、山を登れたり
    つよいやつでも自分自身を思い考えたこともあったのかなと
    思いをはせました。

    ペツェッティーノには、小さくてもちゃんと名前がある。
    部分品だったら部分品ひとつひとつに名前はないと私は思う。
    彼が立派な個体であることは最初から分かっているのだから
    見た目だけで自分は誰かの部分品なんだって思わなくても
    良かったのではないか。

    そう彼を思わせたのは小さくて他のみんなのように
    思いきった、すばらしいことが出来ないと
    思い込んだからじゃないかと思います。
    おうおうにして自分探しとは自信探しなのかと
    思います。

    ペツェッティーノ諦めずによく頑張ったね。

    投稿日:2013/06/26

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  • えがお

    • のえさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 女の子5歳

    三歳になる娘と友達の家に遊びに行ったときに、この絵本を見せてもらいました。
    娘は、まだ字を上手に読めないのですが、絵にとても強い興味をもち、ずっと見ている様子を見て早速購入しました。
    一人でパラパラめくりながら、自分でお話しを作る様に言葉にだしなから、読んでいる姿に自然とえがおがでてきます。
    夜お休み前に読んであげるととても喜びます。
    寝る前に1冊リクエストを聞くんですが、5歳になった今もリクエストランキング上位です。保育園に行く時フレデリックのTシャツを嬉しそうに着ています
    。そんな娘が大好きです!

    投稿日:2013/06/14

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  • 素敵な絵

    ストーリーは、シルヴァスタインの「ぼくを探しに」を彷彿とさせる作品です。

    シルヴァスタインが、描きなぐったような線描のモノトーンで淡々とお話しが進むのに対して、レオニはとても色遣いが印象的です。

    とりわけ海のマーブル模様は、日本画の墨流しの技法を連想させる感じがして、とても趣があると思います。

    私たちも社会の一部分、部品なのかもしれません。でも、「自分は自分」と思うことが出来て初めて、他者とつながっている自分(大きな社会の中では部品である自分であることにも意識が及ぶのではないかと思います。とても深いテーマですね。

    投稿日:2013/06/14

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  • 今になってわかること

     自分というものが良くわからないのは、子どもだけでなく大人にもあること。私も 自分が好きなものを習いに行ってたとき、みんなと一緒にそろえることができなくてひどく落ち込んだ。けれどよくよく考えてみれば、それが自分なのだから合わせられないことで悩むより、合わせなくて済むものを好きになろうと考えた。ずっと生きてきて今になって今さらという感じもしたが、今わかればあとあとの人生楽になります。
    そのあとこの『ペツェッティーノ』をよんで、ああこれだと思った。

    投稿日:2013/06/14

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