やっぱり最初に一言、「深い、深すぎる....」
私は、自分で言うのも何なんですが、多分、ラッキーなことに今で言う自己肯定感の高い人
(と言っても何がズバ抜けて出来るとか、容姿がいいとかそういうのは全くないのですが)
みたいで、逆に自分が誰かの部分品だなんて考えたことがなかったので、この本を初めて
読んだ時に声を失ってしまいました。なんで、ペツェッティーノはそんな考えに取り付かれ
れてしまったのだろうかと。
でも、もしかして“部分品”と言う言葉だから違和感を感じたのであって、これを帰属意識と
捉えれば何となく理解できるような気がしました。
働くのが当たり前だった日常から、離職して、そして再就職が上手くいかなかった時、どこかに
属したい!と確かに思いました。
まわりがどんどん結婚していってしまって、自分は恋愛止まりの繰り返し、誰かと結婚できる
のだろうか? と、そう言えば思ったなぁ。
そんな帰属意識は、たしかに感じたことがあるけれど、じゃあ、レオ・レオニにとっての帰属
意識は何に対してだったのだろう? ・・・・やっぱり、国なのかな? ユダヤ系だからかな?
アメリカに亡命せざるえなかったレオニだからこそ? そんな考えが浮かんできました。
でも、結局、自分自身が1つの個体であって宇宙である、だから自身(自信)を持てという
ことをメッセージとして教えてくれている本なんだと思いました。
その為に、ペツェッティーノを初めてとして登場するものが全部、色々な色の集合体で輝いて
いるように描かれているのかなと感じました。
正直なところ、深すぎて感想の書きづらい本でした。でも、それがきっとレオ・レオニの魅力
なんだろうと思います。
6歳の息子にも読んであげました。きっと深い意味はとれていないと思うけれど、心のどこかに
なんとなく残って、ペツェッティーノみたいな思いを感じた時に、「そう言えばそんな本を小さ
い時に読んだことがある」と思い出して、この絵本を探し出してくれること願っています。