「きん色の窓とピーター」 みんなの声

様々な国の昔話やら童話やらが編集されていて、違和感を覚えないのは藤城さんの影絵があまりに見事だからでしょうか。
１５話のお話の中に、特段統一性は感じなかったのですが、和洋今昔を問わず藤城さんの絵がとても格調高くしています。
知っている物語もいくつかありましたが、それらの絵本と比べて、とても芸術的でシンフォニックな世界。
お話しを読むよりも、絵が気になりました。
とても得した感じでした。

古い本なので、ＩＳＢＮコードはありませんでした。この絵本が”暮らしの手帳”での掲載が始まったのが昭和２４年だったと、藤城さんの後書きに書いてあるので、相当年代ものです。
それが新たにカラー絵としてまとめられ、この本になったのが昭和５９年。（西暦１９８４年）
この本は、各国の昔話や遊泳などうわをあちこちから探してきてまとめられたもので、
“お母さんが聞かせる…”と副題がついているように、子どもたちの寝入りばなにお母さんが語って聞かせられるような短いものが多かったですが、良作ばかりでした。

１作１作、香山さんがまとめられた読みやすいお話に、藤城さんの素敵な影絵が「これでもか！」と、ページを割って描かれています。
どれもこれも見ごたえがあって、素晴らしかったです。