「改訂復刻版 みなまたの木」 みんなの声

2011年に出版された絵本が、水俣病患者、支援者の指摘で加筆修正されて、2018年に地湧社から改訂復刻された絵本です。
私自身は水俣病も訴訟についても、同時代的に知ってはいますが、平成生まれの子どもたちにはどれだけ知られているのでしょうか。
新しい年号の未来人には、どのように継承されていくのでしょうか。
この絵本の書かれた意味と、改訂復刻された意味は、水俣を過去に追いやってはいけないという強い思いに基づいていると思います。
人の犯した過ちとおごりは、水俣に限らないことを忘れてはいけないし、社会を直視できる子どもたちに未来を託したいと感じました。

公害について、何と無くは知っていましたが、この本は水俣病についてわかりやすく説明してくれています。あまり便利さを追求しすぎるのもどうかと思いますね…。それで人命が失われてしまっては元も子もない…。悲しすぎる…。

小学校中学年の夏休みの読書感想文の課題図書であった「よかたい先生」が、少々難解であったので、より水俣病についてこどもにわかり易いものをとの思いで、手にした一冊です。水俣病の悲劇が子供にも伝わる絵本だと思います。

教科書にも書かれているほどに、重大な事柄です。
産業・経済の発展を優先させた結果の、悲劇と言えるでしょう。
教科書だけではわからない、悲しみや怒りが、一本の木を通じて伝わってきました。
実際に診察した医師からのメッセージもあり、大人にとっても勉強になる一冊だと思います。