「おはなし絵本館」とあるように、この本には2つの作品が入っています。
一つは表題作の「ゆうかんな十人のきょうだい」もう一つは「かみさまになりそこねたサンダル」で、私が読みたかったのはこの「かみさまになりそこねた……」の方でした。
(「ゆうかんな十人の……」は同じ君島さんの作品で「王さまと九人のきょうだい」と、ほぼ同じ内容です。そして、この話は伝聞によって、5人だったり9人だったり10人だったりと……、他にもいくつかお話として残っていますよね〜)
「サンダル」のお話はマレーシアの昔話だそうです。
サンダルの右足の方が夫で、左足の方が妻という設定も面白かったですが、どんどんどんどん姿を変えていき、その都度もっともっとと望む人の(この話の場合はサンダルたちですが)『欲』がはっきりと形に見えるところが面白いと思いました。
こういうお話の一番有名なのは、「ねずみの嫁入り」とか、ロシアの昔話の「金のさかな」とかありますよね?
ちなみに「十人きょうだい」の方は馬場のぼるさんが、「サンダル」の方は「さとうわきこさんが挿絵を描いてくれていました。
それぞれ味わいがあって、楽しいイラストでした。
また“絵本館”ならではのページとして、
お話に登場した場面クイズやお話のキャラクターを作ってみようという工作のページもありました。
「作り方」があるので、物を作るのが好きな母子などに特にお薦めです。