昔、私が読んだ本で、
クリスマスの前に娘にも読ませたくなり購入しました。
ねずみの郵便屋さんがうっかり雪で濡らして滲んだ手紙の宛名を、
森の動物たちがああでもない、こうでもないと好き勝手に解読していきます。
ひょんなことから、これはねずみの郵便屋さん宛てに届いた手紙だと分かって……
素朴なミステリーに頭を悩ませた後は、とびきり壮快なエンディングが待ち受けています。
雪の森の静謐さと、動物たちの服の品のいいカラフルさが調和して、
控えめでありながら不思議と温かく記憶に残る絵柄です。
「もりで いちばん おおきな もみのき」が動物たちの眼前に現れるシーンでは
薄暗い森の影を押し退けるようなまばゆい光があふれ、
読み聞かせている私の方も、思わず歓声を上げてしまうような美しさでした。
3歳なりたての娘にも話の筋は分かりやすく、
はじめから終わりまでずっと楽しそうに聞いてくれました。
クリスマス以外の時期にも読み返したくなる、
普遍性のあるやさしい童話です。