「おにいちゃんにははちみつケーキ」 みんなの声

　このお話は、お母さんが赤ちゃんにどうしても手がかかってしまい、お兄ちゃんはストレートに自分の気持ちを言葉で表現してしまいます。でも、お母さんがケーキを焼いてくれている後ろ姿を見て、自分が言った言葉を後悔してしまう場面があるのですが、自分の幼い頃と重なりジーンときました。本当は、そんな言葉を言いたいんじゃなくて、さみしいよ・・・　って言いたかったんだよね。そんなお兄ちゃんの気持ちが絵の雰囲気からもちゃんと伝わってきました。絵に温かみがあって気に入りました。

コンタはお兄ちゃんになりました。弟のマメタが生まれたからです。マメタのお世話にかかりきりのママに、コンタは淋しさを募らせます。とうとうコンタは階段下の物置にもぐりこみ、ストを決行！　するとママは…。
お兄ちゃんになったコンタの揺れる気持ちが痛いほど伝わってきました。ママの愛情がなくなったのではと不安になったり、赤ちゃんの悪口を言ったり（そのことでまた自分を責めたり）、いっぱいいっぱいのコンタをママが上手に受け止めます。素敵なママだなーと思いました（自分だったらこうはできまいと感心しました）。お兄ちゃんへの階段を一つ上ったコンタ。書名の『おにいちゃんには…』の【には】の意味がよくわかりました。温かくて優しい挿し絵もおはなしのイメージにぴったり！　表見返しから裏見返しの時間の変化が見事です。

お母さんの愛情を子供の目線から再確認する絵本を最近よく見かけます。
この絵本もそのような感じの絵本ですが、
弟が生まれてお兄ちゃんになったぼくが主人公です。

今までぼくだけのママだったのに、赤ちゃんが生まれてから
なんだかぼくがいらない子になったみたい。
「あかちゃん　ばかちゃん　おしっこ　ちーちー
ぶりぶり　うんち　くさいぞ　どっかに　すてちまえー！」
こんないけない歌を歌ってしまうほど、ぼくの心はやきもちでいっぱい。
でもママは、お兄ちゃんのこともずっとずっといつまでも大好きなんですよね。

最近赤ちゃんが生まれてお兄ちゃん、お姉ちゃんになった子供さんにもいいと思いますが、
個人的には、お母さんに読んでもらいたいなと思いました｡