なまけどりとの約束を守って、卵を代わりにあたためることになった、ぞうのホートン。
風が吹いても、雪が積もっても、仲間に笑われても、命を狙われても、じっと卵をあたため続けます。
「やくそくしたことは、まもらなくちゃ!ぞうって、しょうじきもので とおってるんだからな!」
と、自分に言い聞かせ続けながら。
これこそが、子どもに対する作者のメッセージだと思いますが、母親の立場で言うと、また別の意味でじいんときます。
誕生してからも、何年も保護者の手を借りなくては生きてゆけないのは、人間だけだと聞きました。
辛くても、笑われても、命を狙われても、子どもを抱いて守ってゆかなければならないのです。
なまけどりは、さんざん遊びまわったあげくに、かえる直前の卵が惜しくなって取り返そうとします。
ところが、生まれたひなの姿は・・・・。
見ようによっては、グロテスクな姿です。でも、ホートンは大喜び。今までホートンに辛くあたっていた人間たちも、仲間たちも、心からの拍手を送ります。ホートンは幸せにくらすのです。
この、力技とも言えるハッピーエンド。多くのことを考えさせられました。
どんな子どもも、愛されて生まれてくるべきであること。
生みの親より育ての親。
3才の子どもには、少しお話が長かったようです。
途中で眠ってしまい、翌朝、
「もう少しページの少ない絵本でお願いします」
と、言われてしまいました。