「あしたもあそぼうね」 大人が読んだ みんなの声

　うさぎのぴょんこが、ひとりぼっちで、さくらの花の下で遊んでいます。そこへ、ふわっと女の子があらわれます。さくら色の風のような、さくらこちゃん。
　おともだちができて、うれしそうなぴょんこの顔がほほえましいです。
　
　雨が降った後に、さくらこちゃんはいなくなりました、、、。さくらの花も雨が降ると散ってしまいますね。さくらこちゃんは、いなくなったけれど、くまのくうたと出会えてよかったです。くうたとは、あしたも遊べますね。

　いもとさんの、やさしくあたたかいタッチの絵とお話がぴったりあっていました。

桜の花の美しさと、散っていくはかなさを、さくらこという化身に語らせて味わいのある物語に仕立てています。
知り合ってもわずかな日々の間に散ってしまう桜と、友だちになったなったびょんことくうた。
最後に知らぬ同士の出会いを演出したさくらこですが、来年の桜の季節にはどのような再会を見せてくれるのでしょう。

まんまる山に住んでいる、子ウサギのぴょんこには友達がいなくて、
いつも一人で遊んでいました。
そして、とんがりやまには、くまのくうたが住んでいました。
くうたにもやっぱりともだちがいませんでした。
春の日に、ぴょんことくうたが、それぞれであったのは、
ふんわりしたきれいな色の桜の女の子。
きれいでかわいい絵と、やさしくてちょっとさみしいおはなしです。
でも、また来年ね、と言っていたから、また会えるのですね。
ふたりはさくらこのおかげで、ともだちができて、よかったです。

いもとようこさんの繊細で優しい絵と、
あまんきみこさんの心がほんわか優しい気持ちになるお話が、
マッチしています。

うさぎのぴょんこと、ももいろの服を着たさくらこ。
こぐまのくうたと、さくらこ。
さくらこを通じて、ぴょんことくうたが友だちになるお話です。

ぴょんことさくらこが遊んだ後、「あしたもあそぼうね。」と
約束します。
くうたも、さくらこと遊んだ後、「あしたもあそぼうね。」と
約束します。

そのたびに、さくらこは空を見上げます。
天気が気になるの？それとも、自分の去り際を見定めてるの？

やがて、さくらことの別れがやってきます。
それは、悲しいけれど、全然寂しくない。
だって、ぴょんことくうた、新しいお友だちが出来たのだから。

友だちを作るのは難しい。
でも、さくらこのような存在がいてくれたらうれしいですよね。

桜の花の咲くころ・・・新学期を迎えるお子さんたちに。

まんまるやまに住んでいる子うさぎのぴょんこ、今日もさくら広場でひとりで遊んでいます。
とんがり山に住んでいるのは、こぐまのくうたです。くうたにも友だちがいません。さくら広場で、自転車に乗る練習をしています。
ふたりのそれぞれのもとに、さくらこという女の子がやってきます。
やがて、さくらこはいなくなってしまいます。

春のさくらの花が咲く頃にぜひ読んであげたい、心がほんわかしてくるお話です。友だちのいない気持ち、そして、友だちができたことの喜びが、心にずんと伝わってきます。優しい気持ちを充分感じながら、読んであげることができます。
大きく描かれた登場人物たち、そして、画面いっぱいにひろがる桜の花びらは、迫力満点！

さくらこちゃんに、ありがとうと言いたい。
二人を出会わせてくれて。

いつも１人で遊んでいた二人を引き合わせてくれて。

おままごとや、自転車を一緒に楽しめるお友達に出会わせてくれて。

また、来年、きっと会えるよね。さくらこちゃん。

友情を深めた二人が待ってるよ。きっと。きっと。

桜の季節に、お引っ越しや、新しい場所に旅立とうとしているお友達にぜひ読んでいただきたい絵本です。