もうなかないよ、クリズラ もうなかないよ、クリズラ
作: ゼバスティアン・ロート 訳: 平野 卿子  出版社: 冨山房 冨山房の特集ページがあります!
読み手の年齢を選ばない子どもから大人まで、それぞれの感性で理解してうけとめる事のできる「みんなの本」です。

名前のない人」 大人が読んだ みんなの声

名前のない人 作・絵:クリス・ヴァン・オールズバーグ
訳:村上 春樹
出版社:河出書房新社
本体価格:\1,800+税
発行日:1989年
ISBN:9784309261195
評価スコア 4.65
評価ランキング 2,289
みんなの声 総数 16
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  •  「どれだけ長く眺めていても飽きるということはない」。
     これはC.V.オールズバーグの絵本についての、村上春樹さんのコメントです。
     そういう絵本にめぐりあった村上さんのおかげで、私たち読者もオールズバーグの独特な色彩の世界を楽しむことができたのですから、本というのは巡りめぐるものだと、つくづく感じます。

     この作品は、村上さんが『西風号の遭難』『急行「北極号」』につづいて翻訳をした作品です。
     「ミステリアスでエニグマティック」な作品だと村上さんは評しています。
     「エニグマティック」というのは、「謎めいた」という意味でしょうか。
     原題は「The Stranger」。
     表紙の黄色い服、デニムのつなぎを着ている男が、その人物です。
     スープをみつめる表情にして、少し「エニグマティック」です。

     ある日、お百姓のベイリーさんが車で事故を起こしてしまいます。
     はねたのが、この男。事故のせいか、ベイリーさんが何をたずねてもわからない様子。
     やがて、元気になった「名前のない人」ですが、どうも普通の人とは違うようです。
     ベイリーさんの農作業を手伝っても汗ひとつかかないのですから。
     しかも、この男のまわりに不思議な現象が起こりだす。
     いつまでも夏が続いて、秋が来ないのです。
     まわりの村や山々は秋の色づきにそまっているのに、ベイリーさんの村だけは、いつまでも夏なのです。
     この男は、いったい何者?
     やがて、男はいなくなります。途端に、ベイリーさんの村にも秋がやってきました。
    「 エニグマティック」は、こんな時に使うのでしょうね。

     最後までこの男のことは解き明かされません。
     私たちは秋の装いに包まれたベイリーさんの家をじっと見つめるだけです。
     めぐる季節のことは科学的には説明できます。でも、本当はこの男のように、不思議な自然のなぞなのかもしれないとい うことを、私たちはすっかり忘れてしまっているような気がします。
     「The Stranger」とは、自然そのもののことかもしれません。

    掲載日:2014/08/25

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  • 彼が誰だったのか、議論してみたいです。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    これもまた、とても面白い話でした。

    一体、この『名前のない人』はだれ合ったのでしょう?
    もう少し後の時期ならサンタかな?なんて、想像もしてしまいそうですが、
    晩秋の景色を見て、気や葉を見て、彼が何を思ったのか、いったい何を思い出したのか、すごく気になりますが、オールズバーグははっきり「なんだった」とは描いてくれていないんですよ〜。
    これは、読み手ひとりひとりが感じて思う『それ』を描けばいいということなのでしょうか?
    特にラスト1ページに描かれている内容は、すごく気になります。
    秋の精?、それとも木枯らし1号?そういう自然界の、妖精みたいな存在だったのでしょうか?
    この絵本を読んだ人と、いろいろ議論してみたいです。

    掲載日:2011/12/01

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  • 読後が楽しい

    • こりえ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子2歳

    ベイリーさんの車にはねられた男。記憶をなくしてしまっているその男は、ベイリーさんの農場で暮らすことになります。

    この男の人は一体何者だったのか?
    そういう考える楽しみが読後に待っています。
    話自体で楽しめるのはもちろんですが、読んだ後にいろいろ想像しながらお話を振り返るのもまた楽しいものですよね。

    体温計の水銀が全く上がらないこと。
    スープを冷まそうとした息にやけに寒く感じること。
    野うさぎと慣れ親しんでいること。
    それから、男の周りだけ季節が止まってしまうこと。

    彼は一体何者なのでしょうか。
    森の精だったのかな?などと考えたりもしました。
    1年中、緑が溢れる森で動物たちと仲良く過ごしている姿が浮かんできたのです。

    答えはでてきません。
    だからこそ、いつまでも心に残る作品になるのではないかと思いました。

    掲載日:2009/04/09

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  • 幸せな余韻

    大人の絵本かなと感じました。
    少なくとも8歳と5歳の我が子にはまだ難しいです。
    が、とても魅力的な絵本でした。
    余韻たっぷり、大人が想像力全開にして余韻を楽しめる絵本です。
    ショッキングなオープニングから謎を残した曖昧なエンディングまでひきつけられます。
    絵もとても素敵で画集を見ているかのような気持ちにもなりました。
    名前のない人は誰なのか、幸せな余韻を残してくれる絵本です。

    掲載日:2008/12/23

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  • 目に力があると思いませんか?

    • とらのさん
    • 40代
    • その他の方
    • 埼玉県

    表紙を見ていただくとわかりますが、目に力があると思いませんか?
    現代は『The Stranger』。村上春樹の翻訳ですが、日本語の題名、どうなんでしょうか。
    でも、絵の中の人間の目には、迫力はあると思います。その目を見ているだけで、何を思っているのかわかるような絵本。ちょっとすごいなあと思いました。読んだあとにもいろいろ考えることのできる本だと思います。

    掲載日:2008/05/21

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