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おおきなけやき」 大人が読んだ みんなの声

おおきなけやき 作:林 木林
絵:広野 多珂子
出版社:鈴木出版 鈴木出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,320
発行日:2011年01月15日
ISBN:9784790252221
評価スコア 4.67
評価ランキング 2,304
みんなの声 総数 20
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  • 生きとし生けるものの定め

    一昨日、この絵本を「お、木の話かな?」と思って、本屋さんの新刊コーナーで立ち読み
    しました。そして、どうしてももう一度この絵本を読みたくて、昨日また立ち読みに行きま
    した。(本屋さん、ごめんなさい!)

    森で一番大きかった“けやき”の話です。
    その堂々とした雄姿は森の他の樹木や動物たちからの憧れの存在でした。
    そんな大木が、ある冬の日に音を立てて倒れてしまい、周りの樹木の方が動揺します。
    そして、けやき自身も当初は喪失感に襲われるのですが、これまでのっ視界と違う視界、
    そして違う付き合いが小動物や植物と生まれて、慰められ、現状を受け留められ、
    そして更に長い年月をかけて、腐食し土に戻っていくという話です。

    一言で言うと、「生きとし生けるものの定め」が描かれている絵本で、
    最初の数ページはただの樹木しか描かれていません。
    しかも、その樹木には顔などはついていなく、背景が真っ白なところに葉が落ちた樹木が
    描かれているので、ああ、本当に寒い日に起きたことだったんだなっと思わされます。
    そして、これまで、こうやって何十年も、この寒さにこの木は耐えて立ってきたんだろうな
    と同時に感じさせられます。

    ページが進む度に年月が過ぎ、あの真っ白だった背景とは逆に、秋に真黄色の落ち葉で
    覆われる倒れた老木のページが、その最初のページと実に対照的で惹きつけられ、
    思わず綺麗とつぶやきました。
    これはきっと、森の樹木達からの老木への今までの賞賛を表しているんだろうな。

    そして最後に、また色が変化をして、倒れた老木を緑の蔦系の植物が覆い、老木の心だけ
    ではなく読み手の心にも「再生」とか「新しい生命」とかを意識させられ、けやきの姿は無になります。

    この老木のけやきの心情や状態を表している“配色のテクニック”にすっかり魅惑されました。

    そして、何よりも、この絵本が二度も私を本屋に行かせたのは、40歳を過ぎて、
    人生半分を過ぎたからでしょうか?
    ただの木の話ではなく、人間にもとても当てはまる話であることをとても感じたからかもしれません。
    何故か、70歳を超えた父親を思い出させる絵本でした。

    自分の人生を振り返って、肩で風を切るような黄金時代もあり、
    そして老いてから自分も周りのもの中の1つであることを悟り、形を変えた楽しみや喜びが
    あることを知る。

    これは小さい子には100%は、まだ悟れないでしょうね。
    どちらかというと大人向けの絵本だと思います。
    万人受けをする本ではないかもしれませんが、私には心に響く絵本でした。
    是非、一度読んでみてください。

    投稿日:2011/01/22

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    5
  • 命のめぐりを感じます。良作だと思います。

    • てんぐざるさん
    • 50代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子22歳、女の子17歳

    これはとても良質な作品ですよ。
    残念ながら、表紙を見ただけではあまり目立ちませんが、一本の年取ったけやきの木が倒れてからの出来事が描かれています。

    木は折れて倒れても、それで終わりではないんですね。
    命のめぐり、力強さを感じられる作品です。
    林希林さんの文は読みやすく、広野多珂子さんの描く木々や森の動物たち素敵でした。
    際立って大きな出来事が起こるわけではないのですが、静かな森の中で起こる生命の息吹を感じました。
    春先に子どもたちに紹介したい1冊になりました。

    投稿日:2017/12/26

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    1
  • 一見地味に感じるが

    詩人でもある林木林さんの作品ということで、読みたいと思いました。
    けやきの木が主役のおはなしなので、一見地味に感じるのですが、生き物が木に集まってきたり、季節が巡って景色が変わったりして、だんだんと画面もにぎやかになっていきます。
    とても見応えのある作品で、満足感があります。
    文章もシンプルで、画角も大きいので、大勢への読み聞かせにも向いていると思います。

    投稿日:2024/03/08

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    0
  • おしまいではない

    この冬最後の寒さがやってきた日、森で一番背の高いけやきの木が、倒れました。
    倒れた時、けやきの木は言いました。
    「そらが あんなに とおくに あるぞ。 わしも もう おしまいだ」

    でも、おしまいではなかったのです。

    倒れたけやきの木のそばに小さな草や花、虫たちが集まってきて、空の話を聞きたがりました。
    りすやうさぎがやってきて、木にまたがりたいという夢を叶えました。
    木登りが苦手な動物たちが、遊びに来るようになりました。
    周りの木々も、けやきの木が倒れたことによって日当たりが良くなり、どんどん伸びていきました。
    けやきの木は、幸せでした。

    倒れたからって、おしまいではなかったのです。

    生きていると、大小様々な失敗や挫折を経験します。
    それによって、
    「おしまいだ」
    と多くの方が思うでしょう。

    でも。

    それは違うよ。
    おしまいではないよ。

    この絵本は、一本のけやきの木を通して、そのことを教えてくれているようです。

    投稿日:2020/10/27

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  • 遠くと近く

    重厚な木の絵の存在感が印象的です。
    見返しの作者の前書きが滋味深いです。
    遠くと近く。
    多くの気づきがあるように思います。
    冬のある日、老木のけやきが命尽きて倒れます。
    森のどの木々より高い光景を知っていたのに、
    今はどの木々より低い光景を目にするのですね。
    その穏やかな気づきが、余韻として残ります。
    擬人化していないのに、けやきの木の声や表情が立ちのぼります。
    小学生くらいから、その思いを感じてほしいです。

    投稿日:2020/05/04

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  • 静かに土になったけやき・・・・・

    「地面に横たわったまま、みんなを見上げながらけやきは、静かに土になりました。けやきのいた場所に新しい木の芽が生まれてきました。」この終わり方に、私もこんな終わりかたがしたいなあと感動を覚えました。
    「どどどど どど どっすーーーーーん!」と、倒れてしまってからも、毎日けやきの周りに遊びにくるようになった動物たちに囲まれてとても幸せな毎日を過ごしたけやきに、寂しくなくていいなあと羨ましく思いました。いつでもどんなことが起こっても現状を受け入れるようにしたいなあと思いました。

    投稿日:2018/07/30

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    0
  • 静かで力強い一生

    全ページお試し読みで読みました。
    冬の日、森の長老 ケヤキの古木がドーッと倒れました。
    季節が変わってゆく空の下で、
    木々や鳥や動物の会話だけが続いてゆきます。
    次の秋には野葡萄がからまり、木の実が落ち、
    やがて金色の枯れ葉が毛布になり、
    次の春には、新しい草花で覆われます。
    最後の一ページの絵は多くのことを語りかけていると思います。
    自然国立公園でこんな風に倒れた姿で、土に帰って行く木の写真を見たことがあります。

    投稿日:2016/08/28

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  • かがやく

    「きのみや どんぐりが みのり、
    けやきの まわりに ほうせきのように こぼれてきました」

    「きんいろの かがやく ほしのような もみじや
    いろとりどりの かれはが ふってきて」

    など、文章がとてもきれいです。
    イラストもその文章に負けないくらい素敵で、
    まるで桃源郷のよう。

    けやきの木が静かに役目を終える最後は
    少しさみしいけれどとても穏やかで
    こうして命が巡ってゆくのだと感じました。

    投稿日:2014/01/24

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  • 大きなけやきの木は老木である時倒れるのです
    大きくて みんなにあこがれだった木 空が一番高かった木
    自分は もう年を取り 死んでいく こんな事を感じながら地面の上にたおれたのでしょうか
    自分よりも空高く跳べるのは 自分ではなく きじばとに聞いてごらんもっと空高くをとんでいる
    けやきは地面に倒れて 土を知ることができたのです
    本当は 自分が土の下の根っこから栄養をもらって大きくなったことを忘れていたのでしょうね

    そして 木がたおれたので そこに草がはえ花が咲いたのです
    木が倒れてからまた 動物たちが集まってきて、嬉しそうに過ごすのです

    私が訪れた屋久島の森の中にはいると 大きな杉がたくさんあって こけが木のまわりに生きづいているのです 感動しました!!

    何年何年も生き続けた木、たくさんの木が集まって森を作り、大きな森は雨をよび、森がどんどん広がるのです

    この絵本のけやきは自分の命の終わりを感じるのですが 倒れてからも月日が流れていき けやきは土にかえるのです
    そして 又小さな木の芽をやどすのです
    これは まさに輪廻ですね
    めぐり巡るというこの営みをけやきは感じていなかったのかも知れませんが・・・ 子孫を残すのです

    林 木林さんの絵本は初めて読みました 
    彼女の伝えたかった事はよく分かりましたが
    子供より大人が読む方がよく分かると思いました

    投稿日:2012/02/21

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  • 一言で言えば、再生の物語だと思います。
    言葉も言い回しも難しくはなく、読み聞かせるには何の問題もありませんが、内容的に言えばこれは大人向けの絵本だと私は感じました。
    寒い冬の日、森で一番背の高いけやきの木が倒れる、というところから始まるので衝撃的です。
    倒れて絶望しているところにわらわらと集まってくる動植物たち。
    彼らは、森一番背の高かったけやきの見た景色の話を聞きたがります。
    そしてあなたに憧れていたのだと語りかけました。
    土の上で初めて過ごす季節が巡り、けやきは自分の価値観だけが正しいわけではなかったと気づくのです。
    そして多くの幸せを感じながら土へと還ってゆき、新しい命を芽吹かせます。
    長いお話ではないというのに、なんと壮大な話でしょう。
    読み終える頃にはぽろぽろと涙が零れていました。
    人の一生と重なる、とあるけやきのお話です。
    どうぞ静かに、表紙を捲ってみて下さい。

    投稿日:2012/02/17

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