お祭りの屋台で買ってもらった、犬の風船。足にはコロコロが付いてあった。紐を引っ張れば、カタカタとついてくる。まるで本当に犬の散歩をしているようだった。7歳の私は、どこに行くにもぺぺと一緒だった。でも、日に日に空気が抜けて萎んでいった。ドアノブにいつも通りに紐を括りつけていた、ある日のことだった。気が付くとペペの姿が見えない。ふと窓の外に目を向けると、今にもクルマに轢かれそうなペペがいた。私はお母さんを呼びに行ったけど、戻ってきた時にはもう、ペペはいなかった。
こぞうが私は羨ましい。だって、じょうさんも、ちりんさんも、らりろんも、君の元に帰ってきたんだから。