読み始めるのに少し勇気のいる本でした。
大切なぬいぐるみのお友達を思い出すと、もう大人になったのに今もたまに心の中でなきむしこぞうが顔を出します。
母がなくさないようにと両手にぼたんをつけてくれた、世界にひとつだけのわたしのくまさんとねこさんでした。
あの日のわたしが絵本の中にいて、またこの本を読んでいるどこかの誰かでもあって、大切な宝物への愛おしさがぎゅっと詰まった絵本です。
絵もことばもとても優しくて、もうわんわんと声を上げては泣けないけれど子供のころみたいにたくさんたくさん泣いた気持ちになりました。
次にこの本を開くときには、さよならしたことではなく一緒に遊んだ楽しかったことを思い出しながら読めるといいなと思います。
きっとわたしのお友達も、小さかったわたしもその方がうれしいかな。
子供にも子供だった大人にもおすすめの絵本です。