『ELEPHANT IN THE DARK』が原題。
ペルシャのふるい詩から、と副題があります。
ペルシャ(現在のイラン)の詩人ルーミーの詩を基にした再話ですね。
自分の知識が、真実の一部分にすぎないことを、寓話に込めたようですね。
商人アフマドが、インドから連れ帰った不思議な生き物を蔵に入れます。
噂を聞き付けた村人が、暗い蔵を覗いて、その正体を推測するのですね。
もちろん、それぞれが暗闇で知ったのは、不思議な生き物の一部分。
当然、皆の意見が食い違います。
終盤の有様は、その愚かさを暗示しています。
作者のあとがきが滋味深いです。
両者とも、この寓話に込められた思いに共感してこその作品なのですね。
古代ペルシャの細密画も織り込んだ、エキゾチックな絵も魅力的です。
幼稚園児くらいから、感じ取ってくれると思います。