鈴木まもるさん・竹下文子さんご夫婦の心温まるすてきな絵本。
作品の内容だけでなく、お二人のすてきな関係や、子育てに注がれたすてきな時間・・・そんな「すてき」が至る所にたくさんあふれている絵本です。
我が家にも、娘が生まれた頃から大切に使っていた小さな手作りの揺り椅子がありました。
大人用の揺り椅子に私が座り、その横に並んだ小さないすには、お人形を抱いた娘が座り、2人でゆらゆらと揺れながら、いっしょに歌を歌ったりしたのが、つい昨日のことのように思い出されます。
絵本の中のいすは、子どもの成長と共にいつしか押入れの中で忘れ去られ、我が家のいすは、引越しのために、近所の子の元へともらわれていきました。
長い年月を経て、再び奇跡の出会いを得た「ちいさいいす」。
また「子供用のいす」として、子どもといっしょに暮らすしあわせな日々が始まります。
我が家のゆりいすが、いつか海を越えて、また娘のもとに戻ってきてくれることはないだろうと思いますが、新しい家族の中で、「ちいさいいす」のように、子どもたちをひざに乗せて、笑顔に包まれた一生を送ってほしいな、と願っています。