昔話の読み聞かせをしようと、松谷みよ子さんがかかれた民話を端から探して読んでいたところ、この一冊に出会いました。
はじめは淡い恋の始まりと、若い2人の燃えるような愛に触れ、次第に胸を高鳴らせながら読んでいました。そして、民話の舞台となった時代にも現代と変わらぬ恋の情熱があったと知り、遠い昔の民話が身近なものである感覚に触れて不思議な気持ちになりました。
ところが、男が女の様子に異変を感じてから関係が一変します。
男のように女に恐れを感じながらも、変わらぬ女の愛を知ると男の愛が戻らぬことに涙が流れました。
こんなに心揺さぶられた民話は、久しぶりに読みました。
子どもたちには別の民話を読みましたが、これはぜひ恋の甘美に触れた大人の方々にお勧めしたいと思い、レビューを書いた次第です。