とうさんとふたりの生活。
父と息子、ふたりで船に乗り、会話をしながら、心が寄り添っていく様子が描かれています。
『母さん役なんて、しなくていいよ』という息子の気持ち。
好き嫌いは言えないぼくら。
大きな船は、まるで時代という船をあらわしています。ふたりで、思い出を語り合いながら、共通の思い出に浸るひととき、そして忘れていたこと、記憶がつながる…
そんな小さな出来事のくり返しのなかで、父と息子の気持ちが近づいていく様子に、心が少しずつ軽くなっていくような気がしました。
人と人とのつながりには、何よりも会話が必要なのではと思いながら、素朴な絵とともに、ゆっくりとページをめくる時間を味わうことができました。