「こどものとも」の、ものがたりえほん1。物語のおもしろさを存分に味あわせてくれるお話です。そして、堀内さんの絵が、そのおもしろさをより一層引き出してくれています。「こどものとも」だけでも、たくさんの本の挿絵を手がけられた堀内さんですが、どれも画風が違っていて、「この本には、この絵以外には考えられない」と思うくらい、1度見たら忘れられない印象を与えてくれます。このお話のおおかみも、ユーモアたっぷりに描かれていて、ちょっと同情したくなってしまうほど!
おおかみが、仲間の群れを従えて現れる場面。はげ頭のおおかみの肩に、1匹が乗り、そのまた上にもう1匹と、どんどん高くなっていき、今にもきこりに届きそうになります。娘は、まず必ず「1ぴき、2ひき、・・・」と最後まで数え、その後、あわてて、きこりのおしりを守るように、手のひらを立てて通せんぼをしていました。次の日に読んだときには、おおかみの歯を1本1本順番に手で抜く真似をして、「もうこれで大丈夫。食べられないよ!」(娘も、いろいろと知恵をしぼって対抗しているのが可笑しいです)
そして、きこりの叫び声で(何と叫んだかは、読んでからのお楽しみ!)、1番下にいたおおかみが逃げ出し、残りのおおかみがばらばらと崩れ落ちてくるのですが、娘もそれをやってみたくて、ぬいぐるみをいくつも自分の上に積み上げ、キャーキャー言いながら逃げ出す遊びを、何度も繰り返し楽しんでいました。(毎回これをやるので、かなり長くかかります!)
それから、裏表紙の絵を見て、「あっ、これ、きつねのきっこちゃんじゃなあい?だって、おつきさまも、ふくろうのろくすけも、いたちのちいもいるもん!」と、つい最近読んだ「やまこえ のこえ かわこえて」の登場人物(動物)に置き換えてお話を作っていました。「でも、このきつねさん、4ほんあしだよ。きっこちゃんは、2本足で歩くけど・・・」 いろいろと疑問は残るようでしたが・・・。