幼稚園で勧められた絵本です。
とてもきれいな色彩の絵本なのですが、人に勧められなかったら、自分からは選ばなかったかも〜。
内容はとても深いものでした。
美しい果物の豊富な村、それが主人公ヤモの村でした。一見美しい村やその近隣の町にも、実は戦火の下にあるアフガニスタンの一つの村(作者が旅で訪れた村をモデルにした架空の村)だったのです。
ヤモには兄さんがいますが、この春戦争へ兵役にいってしまっています。ヤモが父さんと果物を売りにいった町でも、戦争で片足を無くした人に出会ったりします。
一見平和そうに見えているのに、この国では確かに戦争をしているのです。
読んであげていて、一番ショックだったのは、最後の一文。
このとしのふゆ
村は せんそうで はかいされ、
いまは もう ありません。
幼稚園児には、「村がなくなった」という意味はよく分からなかったようですが、何か大変なことが起こったことだけは理解したようでした。
その戦争は今でも続いています。
私は、人が怪我をして包帯を巻いていたり、血を流しているシーンの戦争の本より、この一文の方が重たく感じられました。