「ラチとらいおん」でおなじみマレーク・ベロニカの作品。「ラチとらいおん」ですっかりとりこになってしまった私と娘は、この「ボリボン」もまた、手離せない一冊となった。
主人公のガビは、なんでもこわしてしまういらずらっこ。おもちゃのきしゃはばらばらに、ボールはたちまちぺっちゃんこ。(ん?なんだか、私の娘に似ているぞ。)すっかりあそぶものがなくなったしまったある日、ガビがお母さんからくまのぬいぐるみ“ボリボン”をもらいます。ガビはよろこんで、“ボリボン”といっしょにあそびはじめ、きせかえごっこをするのだけれど・・・・。
子どもは、手加減を知らない。こうしたら、こうなるであろうと予測もせずに行動する。だから、色んな経験をして(身の危険がない範囲で)傷つき、泣いて、そして喜んで、成長し学んでいくのだろう。
“ボリボン“は、ただのぬいぐるみであるけれど、ガビにとっては大切な友達なのだ。娘もよくぬいぐるみと会話をしている。“ボリボン“は、自分にとってのかげがえのない存在の象徴のように思える。ガビも、“ボリボン”の不在という経験を通して、相手を思いやる、という気持ちを育んだに違いない。
マレーク・ベロニカの絵もステキで、飾っておきたいくらいです。