サーカス団のイラストがわちふぃーるどらしい独特で絶妙なセンスで、それだけで一見の価値ありですが、ストーリーも独創的で読み応えがありました。
今回は、多才で人気者の友人ジタンにダヤンが嫉妬するお話ですが、結局ダヤンはその嫉妬心とどう折り合ったのか、結末がなかなか見物です。ダヤンの精神が経験を経て一つ大人になる一ページで、思わずニヤリとさせられました。
拍手喝采を受ける友人を見て、それが自分だったらどんなにいいかと羨望し、そして自分にだって出来ないはずはないと、努力もせずに思い上がってみる若さ。あのかわいらしいダヤンなだけに微笑ましく読みました。
ダヤンの扁桃腺が腫れて寝込むシーンや、一輪車が意志を持って自走して去っていく様子など、センスの良いオリジナルの描写がここでも光っています。
サーカスを扱っていることと、ジタンの思いやりがあってでもどこかつかみどころのない不思議なキャラクターなども相まって、いつもより更にノスタルジックさもたっぷりです。