ウィロビーさんの家に届けられた大きな大きなツリー。でも、大きすぎて先っぽが天井につかえてしまいます。そこで執事がツリーの先を斧で切ってしまいました。切られた先っぽは小間使いのところへ‥。でも、ここでも先っぽがつかえて、やはり切られてしまいます。そんな風にして様々な人たちの手に渡り、それぞれの場所で歓迎され、ピッタリのサイズで飾られ、小さなツリーは家々に幸せの灯りをともしていきます。
大人の立場から読むと、「身の丈にあった幸福」の心地よさについて考えさせられる一冊です。もちろん、子供たちは繰り返しの楽しさや、どんどん小さくなっていくツリーがそれでもツリーとしての役割を果たすという、お話しの面白さに釘付けになることでしょう。
クリスマスの絵本なのですが、サンタクロースもプレゼントも登場しません。「地に足の着いた幸福」をこの絵本から感じるのはそのためかもしれません。サンタクロースの存在に懐疑的になる小学生〜にも、安心して読める絵本だと思いました。