この本を読むと、おひなさまの見方が変わります。
おひなさまの役割や、それぞれの家庭にあるおひなさまがどのような想いで家にやってきたのか。
お恥ずかしいことに、そんなことを考えたのは、この本を読んでからでした。
私は男の子だったので、本来ならば、兜やこいのぼりがあるはずだったのでしょうが、そんな裕福でもなかった私の家には、どちらもありませんでした。
二人の妹も同様に、自分のおひなさまはありませんでした。
よくよく考えてみると、実は各家庭によって、「うちにあるおひなさまは小さいんだ」とか「二人しかいないんだ」というような、いろいろな事情はあるのかもしれません。でも、そういう、今の自分のおひなさまに満足していない女の子に是非読んでもらいたい本がこの『かりんちゃんと十五人のおひなさま』です。
おひなさまは、その持ち主の子どもを守ってくれているのです。
そのおひなさまを贈った人の願いが込められているからだそうのです。
だから、おひなさまが大きいとか小さいということではなく、贈ってくれた人が自分のことをどんなに想ってくれたのかということに、気持ちを向けて欲しいと思います。
ありがたいことに、我が娘には、祖母の手づくりの木目込みのおひなさまがあります。毎年、おひなさまを出すことを楽しみにしています。
娘(この本を読んだときは小6)も、この本を読んでいたので、おばあちゃんの気持ちをきっとあらためて受け取ったことと思います。