ここまで新幹線が「分解」されてしまうなんて、鉄道好きにはたまりません。子どもはもちろん、台所の机の上に置いてあったこの本を、何の気なしに見つけたお父さんは、我を忘れて読みふけってしまうことでしょう。それくらい、子どもばかりか大人の心もふるわせてしまう一冊です。
この本を読むまえと読んだあととでは、新幹線に対する見方が変わってしまいます。今まで知らなかった新幹線の秘密を知ってしまった読者は、その秘密を自分の目で確かめたくなるに違いないからです。
発車まえから観察が始まり、発車したあとも客席にじっと座ってはいられないでしょう。窓の外を観察することも忘れてはいけません。高架橋、トンネル、線路も新幹線が安全に走るために大切な役割を果たしているんですから。
圧巻なのは博多の車両基地です。よくこんな広大な場所を調べ上げ、絵にしたものです。読者は、行きたくて行きたくて仕方ないのに、行かれないことに悩まされることでしょう。
これだけしっかり描かれた「鉄道絵本」は今までに見たことがありません。ぜひ、親子で研究して、旅に出ようではありませんか!