ワルターのリンゴの木には、まだ一度も実がなったことがありません。
「ひとつでいいから みがなりますように」
との願いが叶い、たった一つ花が咲き、実がなりました。
ところが、そのリンゴは大きいおばけリンゴでした。
ワルターの強い強い願いから、こんなに大きすぎるリンゴになったのだろうと思いました。
せっかくのリンゴですが、売れることもなく、ワルターは情けない毎日になってしまいました。
なんてことでしょう!
自分の望みが叶ったのに、幸せになれないどころか、前よりも不幸になってしまうなんて・・・
このリンゴが人間の「野望」だとしたら、大きすぎる「野望」は身を滅ぼすとも、とらえられると感じました。