読んでいて、なんだかとてもせつなくなりました。
大好きなちびっこに全てを与え続ける木は、本当にそれで嬉しかったのでしょうか?
与え続ける木に対して、何一つ愛情を与えないちびっこがそれでも大好きなんでしょうか?
どんどん姿が変わっていく木。
最後はただの切り株になってしまいますが、とても美しさを感じます。
それに対して、ちびっこの醜い変わり様。
人は、変わらずにはいられないのでしょうか。
醜いちびっこに、つい自分を重ねてしまいます。
小さな幸せで満足していたはずなのに、与えられ、得ていくうちに、
「もっと、もっと」と求めてしまいます。
最後に、木に腰掛けている老人になったちびっこ。
木にちびっこの温もりが伝わったのでしょうか?
私も手遅れになる前に、求めてばかりいた回りの人達に
温もりを与えてあげよう、と反省できました。
私に軌道修正をさせてくれた絵本です。