2年くらい前にこちらの図書館で原書を借りて読んだときには、「ふーん・・・」という程度の反応しか示さなかった娘でしたが、今回初めて日本語版を読んでみると、最初からものすごい食いつきようで、びっくり! もちろん、お話の内容が2年前とは比べ物にならないほど深く理解できるようになったのは言うまでもありませんが、どうやら、ウルトラマンの影響(!)
の延長線で、怪獣そのものにも興味の対象が広がったため、とも言えるかもしれません。子どもの興味って、どこから、どうつながっていくかわからないものですね!
娘は、それぞれの怪獣をじっくり見ながら、「これは、オウムの怪獣さんだね。」「この子の足、Jの足と同じだよ!人間みたい!」などと楽しそうに話していました。
私自身は、「めっきらもっきらどおんどん」を思い出しながら読みましたが、対照的だったのは、「めっきら・・・」の主人公が瞬時にして穴の中に吸い込まれていくのに対し、こちらは、「かいじゅうたちのいるところ」にたどり着くまでに、「1週間が過ぎ、2週間が過ぎ、やがて1年と1日が経った」という、なんとも長い時間の流れがあることです。帰りもまた同じように、ゆっくりと舟をこいで戻ってきます。そこがとてもユニークだな、と感じたのですが、考えてみれば、うとうとと眠りに落ちるときも、朝夢から目覚めるときも、本当に遠い遠い世界から、だんだんと向こうの世界へ、あるいは、現実の世界へと行きつ戻りつするような感覚がありますよね。子どもの心の中ではなおさら、その2つの世界の境界線が定かではないようなところがあるので、こんなふうに、のんびりと航海しながら、あっちに行き、こっちに行きしているのかもしれないな、と思いました。
この絵本も、「めっきら・・・」と同じように何百回も繰り返し読みながら、子どもにとっても、私にとっても、大好きな作品になっていくことだろうと思います。