主人公は○年生ということを一つのポイントとして絵本を読む時に探しています。
この本の主人公の寛太は一年生。小さな村から引っ越して大都会へやって来ました。小さな村に住む祖父のことが気になって仕方がありません。
寛太の元に届いたのはおじさんからの机。その机には秘密があり、引き出しを開けると田舎の風景が広がるのです。
引き出しを開けるとある風景が広がるというのは『みるなのくら』を彷彿とさせます。
寛太の心細い気持ちだけでなく、そこに植物の命の大切さやおじいさんのメッセージ、子どもの自立などを盛り込んであるのは立松さんらしいなあと思いました。
主人公は一年生ですが、内容やメッセージ性を考えると高学年以上の方が受け取りやすいかなと思います。
こがね色の海のような実った田んぼの風景がきれいでした。震災後、思うようになったのは、田んぼの風景の美しさです。
何気なく今まで見てきた風景ですが、日本人の命をつないできた大切な食料、食料自給率が低い日本の中にあって米だけは自給率100%に近いことを思うと、この風景も含めて大切なお米を守っていきたいという気持ちになりました。