背の高い長方形の形、セピア色のこっくりとした絵。
ページを開く前から、この本は不思議世界への案内書の香りがします。
今まで私が読んだオールズバーグ作品の中で、一番ファンタジー色が強く、読んだ後に感じる恐怖感の少ない本でした。
でも、やっぱり一筋縄ではいかなくて、普通の“不思議で楽しいファンタジー”とは全く違いますけれど。
魔法のホウキが飼い犬のように忠実で、愛らしい。
それなのに、何も悪いことをしているわけではないのに、ただ異質なものというだけで、決して受け入れようとしない隣人たち。
その対立をハラハラしながら追っていくと、途中で「あ〜あ」とがっくりするものの、最後には大逆転が・・・。
ハラハラドキドキをたっぷり味わえる展開でした。
友人が6年生の教室で読みましたが、20分ほどかかったそうです。
でも、その長さが苦にならない面白い絵本です。