戦争で家族を失った父親が、新聞で自分の娘のことらしき記事を見つけました。
大空襲の中で逃げ惑ったあげく、母親と弟からはぐれ、にれの木の下でおはじきをしながら家族を待ちつつ死んでいった少女。
想像するととても痛々しい情景です。
父親が探したずねて、少女がおはじきをしていたにれの木に対面します。
にれの木に話かけます。
その時に出会った少女。
少女は、一人でおはじきをやってもつまらないよと語ります。
これが子どもの感覚なのでしょうか。
しかし、この少女の心は、霊となっておはじきをしていた少女を訪ねます。
そして一緒ににれの木の中で遊ぶのです。
戦争の悲しさと人を思う心が解け合って、感動的な絵本でした。
戦争を知らない子どもたちにその悲惨さを伝えるには、自分たちにとって身近なところから語ってあげるのが良いかと、歩み寄りの大切さを感じました。