私自身が子どもの頃に児童館で出会い、悲しい結末といわさきちひろさんの絵がとても印象に残った絵本です。
今読み返してみても、悲しい結末にやるせない気持ちになります。
でも、おとなしくても芯の強さを持ったひさのような子がいるのかも…と考えると、心の中にあたたかいものを感じる気がします。
いわさきちひろさんの絵は、そんな儚くて強いお話しにぴったりだと思います。
激しい雨を緑色で表した場面や、村人たちがたいまつを持っている場面、夜空に星が見える場面など、水彩の表現が圧巻です。
余談ですが、いわさきちひろがテーマの講演会で、某イラストレーターの方が「ちひろが描く三大美少女の一人だと思う」と仰っていました。
藤色の着物を着てそっと座っているひさの絵は、確かにとてもかわいらしいです。